ソフトバンク、史上初100勝見えた!武田復活完封で射程

[ 2017年9月7日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク8―0オリックス ( 2017年9月6日    ほっと神戸 )

<オ・ソ>今季初完封で5勝目を挙げた武田
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 史上初のシーズン100勝が見えてきた。ソフトバンクは6日のオリックス戦に8―0で完勝し、6連勝。武田翔太投手(24)が今季初完封で5勝目、アルフレド・デスパイネ外野手(31)がリーグ30号一番乗りの3ランと盤石の試合運びだった。84勝目で優勝マジックは1つ減って10。残り19試合、16勝3敗なら「3桁」に手が届く。

 最後の1ピースが埋まった。9回2死、武田の132球目は126キロの得意とするカーブだった。大城を二飛に打ち取った背番号30は控えめにグラブを叩く。今季、苦しみ抜いたローテーションの柱の一人が8月13日の日本ハム戦以来の5勝目をプロ初となる無四球完封で飾った。

 「たくさんの方に迷惑をかけたので、今日こそ、長い回を投げようと思いました」

 8月20日の楽天戦以来の1軍マウンドで本来の球威が戻った。初回2死では吉田正に最速147キロを中越え二塁打とされたが、手応えはあった。「がんがん腕を振ろうと思った」。5回2死一、三塁のピンチで投げた147キロに宮崎のバットは完全に振り遅れる。直球が走るから得意の変化球も生き、普段は代名詞カーブの割合が多いが、スライダーも同等で、さらにフォーク、チェンジアップとまんべんなく散らした。

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本ハム・大谷の代役で緊急招集された。準備期間が短い影響もあり、右肩を痛めた。復帰後も夏場に3試合連続で足をつるなど低迷し、今季最長は7月22日のロッテ戦の6回だった。打開策は「壁当て」だ。約10メートル先にある外野フェンスのラバー下部を狙う。「力を入れて投げれば上部のフェンスに当たる。力を抜き、叩きつける」。この日は走者の有無に関係なくセットポジションで投げ、力の抜けたフォームは昨年7月26日の楽天戦以来の完封につながった。

 14勝の東浜、12勝の千賀、バンデンハーク、左肘手術から復帰した和田に、武田が加わった。8月15日以降15勝3敗のハイペースを刻む球団が、さらに戦力を増強。6連戦のない9、10月は先発をこの5枚で回せる。55年に前身の南海が刻んだプロ野球記録の99勝を更新する100勝は、残り19試合を16勝3敗で届く。決して夢ではない。

 「逃げることもなく、しっかり投げられた」と工藤監督も合格点。ただでさえ止まらない勢いが、新たな「燃料」の投下でさらに加速する。 (福浦 健太郎)

 ≪過去最多は55年南海の99勝≫ソフトバンクが6連勝で今季84勝目、優勝へのマジックナンバーを1つ減らし10とした。過去に100勝以上したチームは1リーグ時代も含めてなく、パでは55年南海の99勝(41敗3分け)、セでは50年松竹の98勝(35敗4分け)が最多。ソフトバンクは残り19試合を16勝3敗でいけば史上初の年間100勝に届くが、どうなるか。ちなみに年間100敗以上は61年近鉄(103敗)が記録している。大リーグでは1906年のカブス、2001年のマリナーズが記録した116勝が最多。

 ☆1955年の南海 鶴岡一人監督(当時は山本姓)が10年目の指揮を執り、開幕10連勝と好スタート。2位・西鉄と首位争いを繰り返したが、8月下旬からは独走し、最終的に99勝41敗3分け、勝率・707。2位・西鉄と9ゲーム差をつけ、2年ぶり6度目のリーグ制覇。宅和本司が最多勝、中村大成が最高勝率を獲得した。日本シリーズは巨人に3勝4敗で敗れた。

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