侍U18メキシコに快勝発進!4番・清宮きっちり犠飛 大飛球も

[ 2017年9月2日 05:30 ]

<メキシコ・日本>5回1死三塁、左犠飛を放つ清宮
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 「第28回WBSC U―18ワールドカップ(W杯)」が1日(日本時間同日深夜)に開幕し、日本は1次ラウンドB組初戦でメキシコを10―1で破った。安田尚憲内野手(履正社3年)、清宮幸太郎内野手(早実3年)、中村奨成捕手(広陵3年)のクリーンアップを組んだ打線が着実に得点を重ねた。

 わずかに届かなかった。4点リードの7回無死一塁。4番・清宮の放った打球がカナダの空に舞い上がった。フェンスの手前。右翼への大飛球は、惜しくも高校通算110号とはならなかった。それでも3回1死で大会初安打となる左前打。5回1死三塁ではきっちり中犠飛を放ち、貴重な1点を叩き出した。

 悲願の世界一へ。清宮は強い気持ちでチームを率いている。カナダで初練習を行った29日夜。増田から「キヨ、ミーティングやらないの?」と促され、選手だけでミーティングを開いた。約10分。清宮はナインの前に立って熱弁を振るった。急造チームで互いに遠慮があり、練習に締まりがないと感じた主将は、熱く語りかけた。

 「戦う集団にならなきゃダメだ。(各都道府県の)地方大会が始まる前ってもっといい雰囲気じゃなかった?(今の雰囲気は)絶対、違うよね。まだまだだな。一瞬一瞬を大事にしていこう」。決勝で米国に敗れ、準優勝に終わった2年前の大会を唯一経験している清宮の言葉。増田も「いい時間でした」とチームのまとまりを感じ取っていた。

 兄貴分からも刺激を受けた。侍ジャパン大学代表が、ユニバーシアード夏季大会(台湾)決勝で米国に10―0で快勝して2連覇を達成。清宮が1年だった15年の前回大会のチームメートで、決勝の米国戦を含む2勝を挙げた150キロ右腕・森下(明大)から「優勝したから、おまえらもな」と連絡を受け「自分たちも世界一になります」と誓った。

 7回には安田、桜井の適時打に井上の3ランで5点を奪い、メキシコを突き放した。清宮は9回の第5打席は死球。待望の一発は出なかったが、悲願の世界一に向けて快勝スタートとなった。

 ▽1次ラウンドの順位決定方式 A、B組ともに、上位3チームがスーパーラウンドに進出する。勝敗数で並んだ場合は(1)当該チーム同士の直接対決(2)得失点率(3)チーム自責点(4)チーム打率(5)コイントスの順で順位が決定する。延長10回からは無死一、二塁で始まるタイブレーク制を採用。

 ◆大会ルール 9回を終えて同点の場合は延長10回から無死一、二塁で始まるタイブレーク制を採用。打順は9回終了時から引き継ぐ。コールドゲームは5回15点差、7回10点差(3位決定戦、決勝はなし)。バットは木製のみ使用可。投手の球数制限はない。

 ▽U―18ワールドカップ 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する。81年に始まり、今回で28度目。かつてはAAA世界選手権などと呼ばれた。優勝回数はキューバが11度で、米国が8度で続く。日本は夏の甲子園大会と日程が重なるため、高校日本代表メンバーで臨んだのは04年が初めて。過去4回で準優勝3回、6位が1回で優勝はない。

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2017年9月2日のニュース