鳥谷V打、金字塔あと9 小野に勇気 1カ月ぶり甲子園沸かす

[ 2017年8月30日 05:45 ]

セ・リーグ   阪神3―0ヤクルト ( 2017年8月29日    甲子園 )

<神・ヤ>2回1死二塁、鳥谷は中前に先制適時打を放つ
Photo By スポニチ

 ポイントゲッターに徹した。2回1死二塁からの第1打席。相性抜群の石川が投じた初球を見逃さなかった。痛烈な打球は二遊間を破る中前への先制適時打。「つなぐことを考えていた」。いつもならば“つなぎの打撃”を強調する阪神・鳥谷が、この夜は違った。

 「打ったのはシュート。先制のチャンスでしたし、ランナーを返すことを考えていました。積極的に打ちいった結果、(野手の間を)抜けてくれて良かったです」

 偉大な大記録を目前にしながらも、安打以上に打点を記録したことに喜んだ。連敗阻止を狙うチームに加えて、先発の小野を勇気づけた一打。「(小野を援護も)その後も1点入って良かったと思う」。ルーキー右腕は前回登板まで12試合に投げて未勝利。自らもプロ1年目の04年は苦しんだ。その思いを知るだけに、生みの苦しみが続く後輩をバットで援護した。

 また、後輩の奮闘を後押しした一打に虎党も熱狂した。7月27日以来となった甲子園での一戦。夏の長期ロードを終えて再び戻ってきた聖地で快音を放った。通算1991安打目。くしくも投手別の安打数でもっとも安打を記録した投手がヤクルトの石川だった。その好相性左腕から通算43本目の安打を記録。2試合連続で無安打だった背番号1が、再び金字塔へのカウントダウンを再開させた。

 「できれば甲子園で達成してほしいね」

 虎党の思いを代弁した金本監督も本拠地での快挙達成を熱望した。節目の2000安打まであと9本。30日から9月3日まで甲子園5連戦だ。

 「そう(甲子園で安打を打てて良かった)ですね」と試合後には少し表情を崩した。偉業達成の場所は、大観衆が見守る本拠地がよく似合う。(山本 浩之)

続きを表示

2017年8月30日のニュース