【石井一久 クロスファイア】青木戦力外 これも「メジャーリーグの一部」

[ 2017年8月30日 10:30 ]

ブルージェイズの40人枠から外れた青木
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 青木にとっては、非情な通告だが、これも「メジャーリーグの一部」だ。ブルージェイズはここ10試合を2勝8敗と低迷し、借金が9まで膨らんだ。今回の措置は、チームがポストシーズンを諦めたことを意味する。7月末にアストロズからトレードされた時も青木と電話で話したが、こうなる可能性は覚悟しており、「短期間で力を見せないといけない」と言っていた。

 FAで大物をどんどん補強できるヤンキースやレッドソックスと違い、ブルージェイズのようなスモールマーケットの球団は、ある程度、自前で若手選手を育てないといけない。9月1日にはメジャーの登録枠が40人に拡大されるので、チームとしては来年以降を見据え、若手を使いたいのは当然。仮にこのままチームに残っていたとしても、出番が減るのは確実で、オフもブルージェイズは再契約しなかったと思う。遅かれ早かれ、チームを離れる運命にあった。

 ただ、青木にとっては、来年以降を考えた場合、アピールできる機会を失ったことは痛い。ブルージェイズと同じ理由で、今季を諦めたチームが獲得に動くことは考えにくい。あるとすれば、現時点でポストシーズン進出の可能性があり、かつバックアップでも外野のベテランを求めているチーム。実力を分かっている古巣のアストロズやブルワーズ、ロイヤルズあたりが興味を示すかどうか。8月31日までに移籍すれば、ポストシーズンの出場資格も得るが、あと2、3日の交渉になるので、時間は多くは残されていない。

 メジャー6年間で6球団でプレーし、トレードも2度経験している青木。どんな環境でも適応できるし、チームの力になれるはずだ。(スポニチ本紙評論家)

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2017年8月30日のニュース