清宮 いきなり海外洗礼…バットない、カナダ入りも道具届かず

[ 2017年8月30日 05:30 ]

カナダ・サンダーベイに到着したものの、荷物の中にバットがなく険しい表情の清宮(左)
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 いきなり“海外の洗礼”を浴びた。「第28回WBSC U―18ワールドカップ(W杯)」(9月1日開幕)に出場する侍ジャパン高校日本代表は29日未明(日本時間同日)、試合が行われるカナダ・サンダーベイに到着したが、清宮幸太郎内野手(3年)ら全選手のバットや一部の選手の荷物が届かないトラブルが発生。翌日の午前の便でもバットは届かず、午後からの練習に影響が出た。

 20時間近いフライトを経て29日の午前0時30分にサンダーベイ国際空港に到着。主将の清宮も「いよいよですね」と気持ちを高ぶらせたが、その直後にナインが次々に不安な表情をのぞかせた。

 「荷物が出てこない…」。15分後、個々のスーツケースの確認作業などを行ったが、選手全員のバットと最速148キロを誇る秀岳館の左腕コンビ、川端と田浦の荷物がない。スタッフ3人の荷物も届かなかった。チームは宿舎に入ったが、日本高野連の竹中雅彦事務局長も「バットがないとノックもできないし、キャッチボールくらいしかできない」と嘆いた。

 経由地であるトロントには、ほぼ定刻の午後4時38分に到着。チームは一度、荷物を取り出した直後、再度、国内線のサンダーベイ行きに預けた。しかし、同便は小型のプロペラ機。空港関係者の説明は「すべての荷物が搭載できなかった」という。だが、次の最終便はおろか、29日午前の便でも届かなかった。関係者によると、搭乗したエアカナダ社にバットの到着を最優先事項としてお願いしたが、届いたのは川端の荷物だけだった。

 清宮は15年の同大会で使った910グラムのバットから50グラム軽くした軽量バットで練習試合3試合で2本塁打を放った。気候の違いによる感触を何より確かめたかったはずだが、それもできない。機内ではゴムチューブを使ったストレッチを行ったり、映画を見るなどリラックスした清宮だが、初日の練習からチームスケジュールが大きく狂うことになってしまった。

 何が起きてもおかしくないのが異国の地での戦い。試練を乗り越えなければ、悲願の世界一は成し得ない。

 ▽サンダーベイ カナダのオンタリオ州北部に位置し、五大湖の一つであるスペリオル湖の岬にある人口約11万人の都市。

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