その男、ファンを魅了する 西武・山川、フルスイングでアーチ連発

[ 2017年8月29日 10:00 ]

「LIONS MAGAZINE」に掲載された、西武・山川の達筆な「絶対痩せる」
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 その男、痩せていない。暑さ厳しい晩夏。食が細くなったりしないのかと思いきや「全く変わらない。ガッツリ食べてます」と西武・山川はガハハと笑った。体重106キロ。その体を存分に使った豪快なフルスイングでアーチを連発する。27日のオリックス戦では今季4度目の1試合2本塁打をマークした。今季12本塁打と、昨季の自己最多14本も目前に迫る。常に明るい笑顔で元気なムードーメーカー。意外な特技を持っていることもファンの間では有名だ。

 その男、やたらに字がうまい。書道の腕前はなんと8段。「幼稚園の頃から中3まで習っていました。けど、無理矢理やらされてましたよ。山川家は両親、おばあちゃんと字がきれいなんです。中3で8段を取ってやめましたけどね」。球団が発行する月刊誌「LIONS MAGAZINE(ライオンズ・マガジン)」5月号には、「選手直筆マニュフェスト」として「絶対痩せる」と達筆すぎる文字を書いて周囲を驚かせた。

 ページの隣に並んだルーキー・源田の色紙には「絶対痩せない!」。73キロと細身で、いざプロの世界に飛び込む新人らしい言葉だ。山川は先輩選手に「おまえも“絶対痩せない”って書けば?」といじられつつ、源田とペアになるように「痩せる」と記した。「あれはマジックで書いたんですけどね。毛筆ならもっと違います」。それでも字のバランスなど絶品の出来映え。この文字を使ってTシャツなどグッズ展開してほしいほどだ。

 その男、さらなる高みを目指す。今季は30本塁打を目標に掲げていたが、5月1日に再調整のために出場選手登録抹消。そこから2カ月以上も2軍でもがいた。チームは残り28試合。「(本塁打を)打てるだけ打つ」のが新たな野望だ。小さい頃は習字以外にも水泳を習い、ピアノも趣味に持つ多芸の男。「字がきれいなのは、大人になってから“良かったな”と思いますね」。筆をバットに持ち替えた時、山川が描く放物線は字に負けないほど美しく、ファンを魅了する。(鈴木 勝巳)

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2017年8月29日のニュース