花咲徳栄・野村 「学年気にするな」主将の一言で4番の貫禄

[ 2017年8月24日 09:00 ]

第99回全国高校野球選手権最終日・決勝   花咲徳栄14―4広陵 ( 2017年8月23日    甲子園 )

<広陵・花咲徳栄>6回1死二塁、適時三塁打の花咲徳栄・野村(左)は滑り込む
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 ◆100回大会の主役たち

 優勝が決まると、花咲徳栄・野村の目から大粒の涙があふれた。千丸、西川ら先輩から声を掛けられ「最高の3年生と一緒にできるのが最後かと思って…」と目は真っ赤だった。

 「優勝するために打つ」。試合前に誓った通りの打撃だった。5回無死三塁から左前へ7点目となる適時打。6回にも左前に強烈な打球を放ち、左翼手が捕れず、適時三塁打となった。2年生の4番は決勝でも2安打2打点と存在感を見せた。

 4番に座った昨秋は下級生という遠慮もあったが、千丸主将から「学年は気にするな」と言われ「チームの4番とだけ考えられるようになった」という。25打数13安打で打率.520、2本塁打、6打点。「チャンスで還すのが役目。その役割は果たせたと思う」と誇らしげに胸を張った。

 来春のセンバツは90回、夏は100回の記念大会となる。2000年以降に生まれた「ミレニアム世代」が甲子園に集まる。野村もその中で輝くつもりだ。「優勝したことで新チームのスタートが一番遅くなる。でもしっかり引っ張って春も、そして夏も全員で優勝旗を返しに戻ります」と誓う。記念大会への足音は夏の終わりとともに始まった。 (落合 紳哉) =終わり=

 ◆野村ジェームス佑希(のむら・じぇーむす・ゆうき)2000年(平12)6月26日、米国ミシガン州生まれの17歳。両親は日本人だが、父の仕事の影響で米国で生まれたため、日本と米国の二重国籍を持つ。小学2年から野球を始め、太田市リトルシニアでは投手兼三塁手。花咲徳栄では1年秋からベンチ入りして4番に座る。好きな選手はソフトバンク・柳田。1メートル85、87キロ。右投げ右打ち。

 ≪第100回大会 最多56校が参加≫来年の第100回記念大会は史上最多の56校が参加して行われる。例年2校が代表となる北海道と東京に加え、準々決勝の前に5回戦を行っている埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の7府県も2校が出場。福岡から2校出場するのは初めて。

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