清原氏、早実・清宮を高評価 重圧の中でアーチ量産「本当に凄い」

[ 2017年8月22日 07:32 ]

タブレット端末で広陵・中村の打席の動画を見入る清原氏
Photo By スポニチ

 元プロ野球選手の清原和博氏(50)がスポニチ本紙の取材に応じ、22日の第99回全国高校野球選手権大会準決勝・天理戦で同氏の大会5本塁打の記録に挑む広陵(広島)の中村奨成捕手(3年)へエールを送った。 (取材・構成=後藤 茂樹)

 すでに本格化の気配を漂わせる中村だが、広島大会では右手首に死球を受けた影響もあって低迷。17打数3安打の打率・176と聞くと目を丸くした。

 「本当ですか?僕は大阪大会も5本塁打しましたから。よほどいいコンディションで入ったのかと思いましたが。地方大会で1割台の打者が、甲子園でそれだけ打つというのは、僕には理解不能です。打率も今・667ですか?僕はそんなに打ったことないです」

 中村は記録への重圧の中で「どうせやるなら清原さんの5本を超えたい」と力強く宣言した。注目が高まり、重圧が増す中での打撃の難しさ。そしてその価値は誰よりも知る。

 「これからが勝負でしょうね。準決勝、決勝でどれだけ自分の打撃ができるか。今日一日空いた影響も小さくはないですよね。打者としては続けてやった方がいいですよ」

 その点で非常に高く評価したのが、早実で高校通算最多の107本塁打に並んだ清宮幸太郎だ。2年前の本紙インタビューでは「甲子園に5回全て出られたら13本を超えられると思います」と自身の持つ甲子園通算最多13本塁打を超える可能性に言及していた。

 「右と左で2人は違うので比較はしづらいですけど。全く違うタイプですね。そして清宮君はあれだけ騒がれて、その中でもあれだけホームランを打ち続けた。これは本当に凄いし、価値のあることですよ。意識する中で実行できるか。重圧の中で達成できるかということは、普通に打つのとでは違うこと」

 自らの記録に挑む若人たちの息吹を常に感じてきた。多くの球児という後輩を見たが、最も衝撃を受けたのは後に巨人でチームメートとなる松井秀喜(星稜)だったという。

 「松井が一番衝撃的でした。僕の記録を抜くとしたら松井かな、と思っていたので。スイングスピードが本当に物凄かった。でもこうやって中村君がホームラン4本打って。僕の名前がまた出てくるというのは、本当にうれしいことです」

 より注目を集め、相手チームの警戒が強まる中、過去の自分に挑む18歳がいる。「ノリに乗っているし、打つんじゃないですか。試合は何時からですか?」。歴史的瞬間を見届けようと、柔和だった表情は一段と柔らかくなった。

 ☆5季連続甲子園出場 1年夏から「4番・一塁」を務め、計5大会で26試合に出場。同学年の桑田真澄(元巨人)と「KKコンビ」として名をはせ、1年夏、3年夏と2度の優勝を経験。2年時は春夏連続準優勝、3年春も4強入りした。

 ☆1試合3本塁打 2年夏の享栄(愛知)との1回戦、3回に右翼ラッキーゾーンへ2ラン。6回に左翼スタンドへソロを放つと、9回には左中間最深部への特大2ラン。この試合は右安、右本、四球、左本、死球、左本で4打数4安打6打点と大暴れした。

 ☆通算13本塁打 1年夏の横浜商(神奈川)との決勝の第1打席で1号をマーク。3年夏には大会新の5本塁打を記録し、春4本、夏9本と前人未到の計13本塁打。清原氏の高校通算本塁打は64本で、そのうち13本を甲子園で放った。

続きを表示

2017年8月22日のニュース