明豊 延長初の3点差逆転 12回2死無走者からサヨナラ!

[ 2017年8月19日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権第10日・3回戦   明豊9―8神村学園 ( 2017年8月18日    甲子園 )

<明豊・神村学園>12回裏2死満塁、浜田(右)が押し出しの四球を選び、三走・角がサヨナラの生還。
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 眼光鋭い切れ長の目で明豊・浜田は堂々と見送った。延長12回2死満塁、フルカウントからの外角直球に体はピクリとも反応せず。スタートを切っていた三走・管に向かって左腕を突き出した。

 「諦めてなかったし後半勝負なので。いつも通り、いけると思っていました」

 9回に3点差を追いつかれ、12回も表に3点を失った。裏の攻撃も2死無走者。それでも諦める選手はいなかった。2安打1四球から暴投で1点を返し、なおも2死二、三塁。9番・管の外角直球を叩いた打球は大きくバウンドして三塁手の頭上を越える左前同点2点打。「人生で何度かしかない、いい場面。興奮して何も考えられない」と言った。

 3時間2分にわたる九州男児の意地と執念のぶつかり合い。その中で3番の浜田は3安打4打点した。3回に右翼線適時二塁打、5回には2試合連発の左越えソロ。そして最後は冷静にボール球を見極めた。「打っても、四球でも勝ちは勝ち」という冷静さが勝利に結びついた。

 選手寮の向かいに16年1月にトレーニング室が完成した。以前は約20分のバス移動で行っていた筋トレが、自主的にできるようになった。2試合で計30安打16得点。筋力アップは、今宮(現ソフトバンク)が投打に活躍した09年以来の8強入りに結実した。

 準々決勝の相手は強打の天理。管は「夏は終わらない。チームの役に立ちたいです」と言った。ミラクル逆転劇を無駄にはしない。 (井上 満夫)

 ◇甲子園延長逆転 夏の甲子園で延長での2点ビハインドを裏の攻撃で一気に逆転したのは06年日大山形(対今治西)など4度あるが、3点差は春夏通じても初めて。延長に限らず2死無走者からの3点差逆転サヨナラは90年山陽が葛生戦の9回に記録して以来となった。また、61年には報徳学園が倉敷工戦で延長11回表に6点を失いながら、その回に追いつき、12回でサヨナラ勝ちしたことがある。

 ▼ソフトバンク今宮(09年度卒) どんな形でも勝てればいい。負けたチームの分も頑張ってほしいし、自分たちのベスト8を超えてほしい。(試合前練習後に)タイミング良く見られた。

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2017年8月19日のニュース