【田淵幸一の目】広陵・中村 G坂本勇をほうふつ…見事に内角をさばく柔らかさ

[ 2017年8月18日 08:20 ]

第99回全国高校野球選手権第9日・2回戦   広陵6―1秀岳館 ( 2017年8月17日    甲子園 )

<秀岳館・広陵>9回表1死二、三塁、広陵・中村は左越えに3点本塁打を放つ
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 内角の直球をさばいた一発は、巨人・坂本勇をほうふつさせる。右肘をうまく畳んで、軸回転で打球を飛ばす。高校生ではなかなかできない技術、コツをすでに身に付けている。

 軸足である右足にグッと体重を残し、その場で回転する。これはホームラン打者の基本だ。強いインパクト。それでいて広陵・中村には、見事に内角をさばくような柔らかさもある。マイナス点はない…と言いたいが、一つだけ気になったのが高すぎるグリップの位置だ。

 ほぼヘルメットの真横。高校生相手ならいいが、プロの速い球にはこの高さから振り始めると遅れ、差し込まれるだろう。私自身も高校、大学時代と高い位置で構えていた。法大で22本塁打を打ったが、阪神入団1年目に江夏豊の代打で登場した初打席。大洋・平松政次の直球に3球三振を喫した。これでは駄目だ、とグリップを胸の位置まで下げた。

 中村はまだ若干細いが、捕手として理想的な立派な体形をしている。打てる捕手、としてどう成長していくのか楽しみだ。 (本紙評論家)

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2017年8月18日のニュース