阪神・藤浪 変わらぬ制球難7四死球…“立ち直ってくれ”ファンは励ましの拍手

[ 2017年8月17日 09:00 ]

セ・リーグ   阪神3―5広島 ( 2017年8月16日    京セラD )

2回1死、大瀬良に死球を与えて謝る藤浪
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 目の前に広がった光景は、期待した復活劇ではなく、23歳がもがき苦しむ姿だった。5月26日のDeNA戦以来、82日ぶりの1軍マウンドとなった阪神・藤浪の表情は最後まで険しかった。

 序盤からつまずいた。初回、先頭の田中に投前へセーフティーバントを決められると、菊池の中前打、鈴木への四球で1死満塁。松山には153キロ直球をはじき返され、左翼フェンス直撃の適時打で先制点を許した。

 何とか最少失点で切り抜けたが、軌道修正できない。2回は2死から大瀬良に投じた球が抜け左肩への死球。3回に連続適時打を許し2失点すると、4回も2死から菊池にスライダーが抜けて2個目の死球を与えてしまい、両軍がグラウンドに飛び出し、一触即発の不穏な空気が漂った。

 結末も屈辱的だった。5回2死二、三塁から石原を歩かせた。次打者は好投していた投手の大瀬良で、代打を送ることは考えられなかったが、首脳陣は岩崎にスイッチし、確実にアウトを取りにいった。降板が決まると、がっくりと肩を落とし、ベンチへ下がる際にファンから“励まし”の拍手を送られる姿は、寂しくも映った。

 直球の最速は159キロを計測し、キレ味鋭いカットボールに打者のバットが空を切る場面もあった。金本監督も「ボールはまずまずスピードは出ていたし、変化球でカウントを取れていた。(次回登板は)ピッチングコーチが判断する」と一定の評価を与えた。

 それでも、2軍降格の最大の原因でもあった制球は乱れ、計7四死球はすべて右打者に対してのもの。首脳陣が昇格の基準にも挙げていた右打者の懐を攻める投球は最後まで見られなかった。

 試合後は報道陣の問いかけに「今日はすいません…」と口にし、球団広報を通じて「チームにも死球を当ててしまった選手にも申し訳ない投球でした」とコメントを残し、悔しさをにじませた。

 1軍の先発陣は開幕投手を務めたメッセンジャーが右足骨折で離脱し、昨季10勝の岩貞も2軍落ちするなど危機的状況。逆転優勝へ、藤浪の存在は欠かせないだけに、巻き返しへの期待は大きい。

 次回の1軍登板について香田投手コーチは「考えます」と説明したように、17日にも出場選手登録を抹消され、登板間隔を空けて復帰2戦目に臨む可能性も考えられる。マウンドで躍動する背番号19の姿を誰もが待っている。

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2017年8月17日のニュース