【歴代担当記者が見た巨人・阿部】笑いに包まれた記者会見 「言葉力」も魅力のひとつ

[ 2017年8月14日 10:10 ]

セ・リーグ   巨人1―4広島 ( 2017年8月13日    マツダ )

<広・巨>会見で笑顔を見せる阿部
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 ユーモラスで、頭の回転がすさまじく速い。巨人・阿部の「言葉力」は凄いと思う。

 通算2000安打を達成した記者会見は、笑いに包まれた。最も思い出に残る安打を「間近だから、今日の安打かな」と予想外のことを言い「あと、プロ初ヒット」と付け加えた。「今、食べたいもの」を問われると「広島だから、つけ麺。激辛のやつ」と言った。静粛な雰囲気で始まった会見を、あっという間に和やかに変えた。

 昨年の6月8日西武戦。当時37歳だった阿部が、18歳年下の高橋光から先制の中前適時打を放った。試合後、バスに乗り込む直前に「高橋投手は小さい頃から阿部さんに憧れていたらしいですが?」と質問すると、すぐさま「FAを取って巨人へ――と書いといてよ」という答えが返ってきた。翌日、阿部の言葉は各紙の見出しになった。

 絶対にボールをバットに当てないといけない場面をセルフイメージし「ヒットエンドラン」にかけて「ひとりエンドラン」と言ったこともある。

 捕手として投手に言葉をかけ続けた。試合中、マウンドに向かい「抑えられたらラッキーぐらいの気持ちでいけ」と声をかけ、投手の気持ちを楽にしたこともある。とっさの「言葉力」は、阿部の魅力のひとつだと思う。(巨人担当・神田 佑)

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2017年8月14日のニュース