“前年王者キラー”盛岡大付 初快挙!センバツ智弁に続き作新も食った

[ 2017年8月10日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権第2日・1回戦   盛岡大付4―1作新学院 ( 2017年8月9日    甲子園 )

<盛岡大付・作新学院>昨夏覇者の作新学院打線を2安打1失点に封じた盛岡大付・平松
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 1回戦4試合が行われ、盛岡大付は最速145キロ右腕・平松竜也投手(3年)が、昨夏覇者・作新学院を相手に2安打1失点完投し、4―1で競り勝った。今センバツでも昨春優勝の智弁学園を下しており、前回覇者を春夏連続で撃破したのは史上初。前橋育英は飯島大夢(ひろむ)内野手(3年)が左手首骨折を抱えながら山梨学院戦に「4番・三塁」で出場し、一発を含む3安打3打点と活躍した。

 異様な空気を自ら断ち切った。3点リードの9回2死から完投目前の平松が3連続四死球。スタンドからは昨夏覇者の大逆転を期待する歓声が大きくなった。「球場の雰囲気が作新に寄りがちだった」。そんな甲子園の魔物にも負けなかった。

 「エース番号をもらった。ここで抑えないとエースじゃない」。2死満塁、フルカウント。相手は栃木大会の満塁機のチーム打率は・526だ。136球目は、最も自信のあるスライダーを選んだ。最後の打者を右飛に打ち取ると、両拳を握りしめた。「優勝メンバーがいて経験豊富だけど、そういう打線を打ち取れてよかった」。9四死球と荒れたが2安打1失点、最後までマウンドを守り切った。

 チームは今春も2回戦で前年王者の智弁学園を撃破し、春夏通じて同校初の8強に進出している。春夏連続で前年優勝校を撃破したのは史上初の快挙だが、平松にとって春の舞台は悔しさだけが残る。背番号1で臨んだ今センバツは大会前に右肩を痛め、登板は救援登板した1試合だけ。不完全燃焼だった。

 一方で背番号10の左のエース・三浦瑞が智弁学園戦で1失点完投するなど、フル回転の活躍を見せた。「悔しくて負けていられないと思った」。右肩の剥離骨折が判明し、平松が投球を再開したのは6月中旬。背番号9で臨んだ岩手大会では3試合21イニングで1失点と立ち直り、再び「1番」をつかみ取ったが、大会後は再びノースロー。2日前の7日にブルペンで30球を投じただけで昨夏覇者を封じた。

 東北勢初の悲願へ好発進。「東北初優勝を成し遂げたいけど、目の前の試合を大事にやっていきたい」。最後の夏は背番号1が君臨する。 (東尾 洋樹)

 ◆平松 竜也(ひらまつ・りゅうや)1999年(平11)12月11日、神奈川県生まれの17歳。小5から野球を始め、中学時代はソフトバンク・松本らを輩出した横浜瀬谷ボーイズで主に外野手。盛岡大付では2年秋からベンチ入りし、同秋の東北大会で背番号1。最速145キロ。1メートル82、83キロ。右投げ右打ち。

 ≪前年王者春夏連破は史上初≫盛岡大付が昨夏優勝の作新学院を破り、出場3大会連続で初戦を突破した。同校はセンバツでも前年王者・智弁学園に勝利、春夏連続で前年王者と対戦した学校は40年松本商(春=東邦商●、夏=海草中●)、京都商(春=東邦商○、夏=海草中●)以来3校目で前年王者春夏連破は史上初。また、夏連覇を狙った作新学院は初戦敗退。夏の前年王者が初戦敗退するのは12年日大三以来5年ぶり12度目。

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2017年8月10日のニュース