秋山緊急降板…遼馬 救った!スクランブル登板で1年ぶり今季初勝利

[ 2017年8月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―0ヤクルト ( 2017年8月5日    京セラドーム )

<神・ヤ>お立ち台で打のヒーローの福留(左)とロジャース(右)から祝福される松田
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 阪神は松田遼馬投手(23)が5日、ヤクルト戦(京セラドーム)で2回1/3を2安打無失点に抑えて今季初勝利を挙げた。先発の秋山が右太腿裏の張りを訴えて3回途中で緊急降板。スクランブル登板を強いられながら、2番手として好投しチームの危機を救った。6回以降も桑原ら救援陣が奮闘し、2試合連続の零封勝利。1分けを挟み3連勝の金本阪神が、またも広島の優勝マジック点灯を阻止した。

 肩の準備はできていなかった。それでも抑えた。3回2死一塁。緊急降板した秋山に代わった松田は、投球練習の合間に何度も肩を回してから、打席の山崎と対峙(たいじ)した。

 「(ブルペンでは)何球か投げてから…。10球ぐらいですかね。でもマウンドに行ったら、いつもとやることは変わらない」

 強気な発言通りに143キロ速球で押し込んで中飛に仕留めると、勢いに乗った。イニングをまたいだ4回は2死二、三塁のピンチを背負うも中村を遊飛。最後の5回は3者凡退に打ち取り、相手に傾きかけた流れを引き戻した。昨年の8月21日巨人戦以来、約1年ぶりの白星を手にした。

 昨季は22試合に投げて防御率1・00の数字を残したが、今季は不本意な投球が続いている。「投げるところ(場面)が無くなるよ…」と弱気になる時もある。2度の2軍落ちも経験。そんな中でも変えずに徹底するのが、自己管理だ。

 昨オフから初めた1人暮らしでは、「自覚を持ってやらないと」と食事、トレーニングに気をつかう。最初はカレーを3、4日分作り置きしていたが、カレーに含まれるラード(動物性油脂)を取りすぎると脂肪が増えると知り、サラダチキンなどの高タンパク低カロリーの食事を増やした。「だらしない生活を1日でもしたら、絶対に良い投球はできないから」。朝食時には、1人暮らし用に買ったミキサーにプロテインを入れ、牛乳や果物を混ぜて飲む。

 全面フローリングの自宅でもトレーニングができるよう、長さ2メートルを越える巨大なカーペットを購入した。その上でバランスボールを使った体幹トレーニングに努める。ケアも怠らず、入浴後には自前のマッサージチェアに座って体をほぐし、ストレッチをして1日を終える。主にナイター後や休日の日課で、「満足できる投球」を求め、一切の妥協を許さない日々だ。

 うれしい刺激も受けた。母校の長崎・波佐見が実に16年ぶりに夏の甲子園に出場。「後輩達が見ているか分からないですけど、励みになっています」。同校は7日の開幕試合に登場。虎の窮地を救った快投は、後輩達の励みとなったに違いない。(巻木 周平)

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