金本監督 ドロー粘り称賛 自力V消滅も「そんなん別にいい」

[ 2017年8月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―5広島 ( 2017年8月3日    マツダ )

<広・神>10回、投手交代を告げる金本監督(右)
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 延長12回、4時間34分にわたる激闘を戦い抜いた。勝てなかったが、負けなかった。5―5の引き分け。執念采配を振るった阪神・金本監督は、ナインの粘りを称えた。

 「3点差でドリスでね、勝てなかったのは残念ですわ。でも、そこから負けなかったのがね。僕は、そっちの方を評価したいと思います」

 序盤は阪神に風が吹いていた。初回に4点を先制し4回にも1点を追加。6回途中から勝ちパターンの桑原、マテオとつなぎ、3点リードで最終回を迎えた。守護神ドリスで逃げ切りを狙ったが、思わぬ展開が待ち受けていた。4安打を集中され、まさかの3失点。最悪の事態こそ免れたが、完勝ペースが一転、延長に持ち込まれ、ドリスは「新井選手の打球も、エルドレッドの当たりもいいところに転がった。向こうがついていたかなと」とセーブ機会に失敗したことを猛省した。

 「投手陣も最後の松田に岩崎とか(よく粘ってくれた)。この球場ですからね、やっぱり。普通、あそこでドリスが一気に引っ繰り返されるか、延長に入ってもサヨナラを食らうパターンを、ここではよく見るけど」

 流れは広島に傾いたが、猛虎も指揮官の下、一丸となり、逆風に立ち向かった。10回からは岩崎、高橋、松田の継投で3イニングを無得点に抑え、引き分けに持ち込んだ。

 今季初めて自力優勝の可能性が消滅した。とはいえ、そんな“枝葉”を気にする金本監督ではない。報道陣から自力V消滅のことを聞かされても「あっそう。そんなん、別にいい。もちろん(前を向いて戦うだけ)」と意に介さず。それよりも敵地で、首位相手に互角に渡り合った「粘り」に手応えをつかんだ。

 「(今カードは)五分で終わったけどね。アウエーで、この球場でのカープの勝率を考えれば。まあ3連戦をよくやったなというのが正直な感想。相手がどう感じているかは分からないけど。ウチもいいものが出てきている」

 まだ49試合残っている。指揮官がファイティングポーズをとり続ける限り、猛虎の戦いが終わることはない。(惟任 貴信)

 ≪4日にも自力V復活≫阪神が広島と延長12回引き分け。この結果、現時点の自力優勝の可能性が消滅した。阪神が残り49試合に全勝しても最終勝率・697で、広島が阪神との残り8試合以外に全勝した場合の勝率・700を上回れなくなったため。なお、4日に阪神がヤクルトに勝ちか引き分け、広島がDeNAに敗れた場合、阪神の自力優勝は復活する。

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