俊介「出来すぎ」先制2ラン シーズン2本は8年目で初

[ 2017年7月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―2中日 ( 2017年7月29日    ナゴヤD )

<中・神>6回1死一塁、先制の2ランホームランを放った俊介(左)はベンチのナインと笑顔でハイタッチ
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 10歳も年下の若手に、同じやられ方はしない。0―0の6回1死一塁、阪神・俊介は空振り三振を喫した前打席と同じ中日先発左腕・小笠原の決め球であるチェンジアップを完璧に捉えた。

 「前の打席にあっさり三振してしまったので、とにかく後ろにつなごうと思い、打席に入った。ホームランは出来すぎだが、欲しかった点を取ることができて良かった」

 フルカウントになっても、力強さは失わなかった。打球は左翼席に飛び込む、2号先制2ラン。通算5本目だが、8年目にして初めてのシーズン複数本塁打となった。

 「超変革」の波に押され、自己最少の41試合出場に終わった昨オフ。2軍で時間をともにすることが多かった福原(現ファーム育成コーチ)に「まだ僕に、チャンスはありますかね?」と弱音を漏らしたことがあった。帰ってきた言葉は「まだ30(歳)前。地道にやっていれば、絶対に(チャンスは)来るよ」だった。

 先輩に背中を押された俊介は「年末年始も、ほぼ休まずにコンディションを維持してきた」と背水の覚悟で1月に三重・伊賀で自主トレに入った。スイングの修正にも着手。「ムダな動きをなくすように」と、トップをつくる際にバットがヒッチする癖を解消した。

 同時に「より強い打球を」もテーマに掲げた。試合前練習のティー打撃では、ボールを太腿に挟んだまま振る練習を取り入れている。「しっかり締めれば、強い打球、強いスイングができる」と意図を説明。打球に、結果に表れている成長ぶりに、片岡打撃コーチも「元々はレフトに強い打球を打てる打者。今年は本来持っていた強いスイングができている」と目を細める。金本監督も「まさかと言ったら失礼だけど。低めの球をうまくすくい上げてね」と称えた。

 3安打した前夜から連日の快音。主役こそ福留に譲ったが、中堅・俊介も負けず劣らずの活躍だった。 (巻木 周平)

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2017年7月30日のニュース