菅野サマ〜両リーグトップ11勝 7月4戦4勝、防御率0・31

[ 2017年7月30日 05:50 ]

セ・リーグ   巨人5―1DeNA ( 2017年7月29日    東京D )

<巨・D>所回、筒香を遊ゴロに抑えた菅野
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 エースが勝負の夏を支える!巨人・菅野智之投手(27)が29日のDeNA戦に先発し、8回7安打1失点8奪三振で両リーグトップとなる今季11勝目。8回には今季初となる自身の暴投で連続無失点記録が28回で止まったが、7月は4戦4勝、防御率0・31と圧倒的な投球を見せつけた。チームも2連勝で5ゲーム差に縮めた3位・DeNAを追いかけていく。

 エースのプライドを懸けた勝負だった。8回1死一、三塁、この時点で7月は防御率0・00。菅野はこの日2安打されていたロペスを全力で抑えにかかった。「意地で抑えにいった」。カウント2―2から139キロのカットボールが外角に大きく外れ、今季1910球目で初の暴投になった。5日の広島戦から始まった連続無失点は28イニングで途絶えたが、ここからが真骨頂だ。

 フルカウントからリーグトップの71打点を挙げるロペスを152キロ直球で空振り三振に仕留め、続く打率・344で同トップの宮崎も遊飛に打ち取った。「(暴投は)もったいなかったけど、あの後をきっちり抑えられたのがキーポイント。あそこで打たれたら、ロペスにいい印象を持たれたまま終わってしまう」。5ゲーム差に詰めた3位・DeNAの主軸に強烈な印象を残し、8回7安打1失点で両リーグトップの11勝目を手にした。

 初回に4点を援護してもらい、葛藤も生まれた。「一発のホームランはOKぐらいの感じで攻めていきたかったけど…」。そんな安全策を、菅野自身が封じ込めた。「(月間の)無失点記録をバリバリ意識して投げた。0点に抑えることはチームの勝ちに直結するので」。個人成績のエゴでなく、スコアボードに「0」を並べることで、チームを勝利に導くことを優先した。

 持論がある。「防御率は投手の力。運ではどうにもならない」。勝利数は打線の援護などに左右される。だからこそ、普段から「0に抑えれば負けることはない」という矜持(きょうじ)をよく口にする。現在11勝、防御率1・99で2冠。夏場に調子を落とす投手は多いが、7月の菅野は4戦4勝、防御率0・31と圧巻だ。

 最大で11あった借金は5まで減った。ヒーローインタビューで菅野は言い切った。「勝負の8月、9月だと思う。まだ諦めていない」。「逆襲の夏」は始まったばかりだ。(重光 晋太郎)

 ≪2度目月間MVP見えた≫菅野(巨)が8回1失点で11勝目を挙げ、セのハーラー単独トップに立った。7月は4戦全勝で防御率0.31と絶好調。今月のセでは、田口(巨)ら5人の3勝を上回る最多勝利で、防御率も今永(D)の1.07を抑える1位と、5月以来4度目の月間MVPが見えてきた。巨人でシーズン2度の月間MVP受賞となれば、13年7、8月の村田以来。投手では90年5、7月の斎藤雅以来27年ぶりとなるがどうか。

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