イチ“初体験”野手攻略!72キロ超スロー球を「下がり打ち」

[ 2017年7月28日 05:30 ]

インターリーグ   マーリンズ22―10レンジャーズ ( 2017年7月26日    アーリントン )

9回無死二塁、この回から登板の捕手・ブレット・ニコラスから左前安打を放つイチロー
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 ダルから1本、捕手から1本!マーリンズのイチロー外野手(43)が26日(日本時間27日)、レンジャーズ戦に「6番・右翼」で先発。3年ぶりに対戦したダルビッシュ有投手(30)から右中間適時二塁打で4回一挙9得点の猛攻に導くと、9回は大差で登板した相手野手から左前打した。日米通算で4337安打を積み重ねてきた天才打者にとっても、初体験の「野手攻略」となった。

 メジャー通算3058安打目は、イチローらしい一切の無駄がないスイングから飛び出した。2―1の4回無死一、三塁。3年ぶりの対決となったダルビッシュの曲がり落ちるスライダーに、角度をつけてはじき返した。右中間最深部で弾むエンタイトル二塁打。この回一挙9得点の猛攻で、右腕をKOする口火の適時打になった。

 「たまにしかない先発ですから。そんな余裕はないわね、僕に。ダルとの勝負が楽しみだっていう精神状態ではないです」

 2回は遊ゴロに倒れたが、第2打席で失投を確実に捉え、通算対戦成績は、24打数8安打、打率・333。代打での起用が続く自身の置かれた状況を素直に明かしながらも、ダルビッシュについては「トップ中のトップ。シャーザーとかストラスバーグ(いずれもナショナルズ)とかカーショー(ドジャース)とか。そういうピッチャーとやる時の心持ち。それなりの覚悟が必要なピッチャー」と改めて実力を認めた。

 メジャーを代表する投手の後には、意外な相手との対戦が待っていた。8―18と大量リードされたレ軍は9回のマウンドに捕手のニコラスを送った。「米国でも日本でもない」という初めての野手との対決。その初球。68マイル(約109キロ)の内角球にのけぞりながらよけたが、ストライクと判定された。苦笑いしながら球審に確認し、心を決めた。

 「たまらんわ。もう全部ストライク取られるでしょう。だからどうやってヒットしようかなと」。4球目は、山なりの45マイル(約72キロ)の超スローボール。すると捕手側に2足分ほどステップを踏み、不格好なスイングながら左前に落とした。「どうやって(ボールとの)距離をとるか。球は遅いから考える時間はあるからね。あれしか方法はなかった」。歴代22位のクレイグ・ビジオにあと1本と迫る3059安打目は、何ともレアな一打。日米通算でも4337本中、初めて野手から放った安打になった。

 ダルビッシュに先輩の貫禄を示した右中間二塁打と、捕手の超遅球を「下がり打ち」で攻略した左前打。マーリンズは球団新記録の22得点をマークしたが、その中でもプロ26年目のイチローの技術がひときわ光っていた。 (笹田 幸嗣通信員)

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