西武ウルフ“仁王立ち”通算50勝 打球直撃、足踏まれても続投

[ 2017年7月24日 05:30 ]

パ・リーグ   西武9―2日本ハム ( 2017年7月23日    メットライフD )

5回 無死 ベースカバーに入った際に打者・松本に足を踏まれる西武・ウルフ
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 顔面に打球が当たろうと、足を踏まれようと炎獅子ユニホームをまとった西武・ウルフが仁王立ちした。味方が6点勝ち越した直後の6回は球数99だったが、志願し続投。2死満塁のピンチを背負ったが、最後は132キロのパワーカーブで松本を中飛に仕留めた。

 「100球を超えて投げられたのは自信になる。50勝は今季絶対達成したい目標の一つだったし、うれしい」

 6回2失点で7勝目を挙げ、来日8年で通算50勝。14年の右肘じん帯再建手術後では初の100球超えとなる116球だ。普段は球数少なくスイスイ打たせて取るが、この日は熱投で鼓舞した。

 4回2死一塁、黒羽根のワンバウンドした打球を右こめかみに受けた。「当たった瞬間クラクラした」。軽い脳振とうの兆候に頭を垂れ、立ち尽くした。治療に一度は下がったが、すぐマウンドへ戻り後続を断った。5回には一ゴロでベースカバーに入った際、松本に右かかとを踏まれた。慌ててトレーナーが飛び出たが「幸いスパイクの上からだった」と追い返した。球宴休みは家族でディズニーランドでリフレッシュし、スプラッシュマウンテンで激しく濡れていた大男が、炎の色の獅子となった。

 「ウルフは球に力があった。最後(6回)も本人がまだいけるということだった」と辻監督。炎獅子ユニホームは3戦全勝。日本の松坂世代にあたる80年生まれの36歳は、老いてますます血気盛んだ。 (後藤 茂樹)

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