【千葉】東海大市原望洋・金久保 延長10回V弾 エース乱調も帳消し4強

[ 2017年7月23日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権千葉大会準々決勝   東海大市原望洋7―5専大松戸 ( 2017年7月22日    ZOZOマリン )

<専大松戸・東海大市原望洋>延長10回、勝ち越し本塁打を放った東海大市原望洋・金久保(右)は笑顔でホームイン
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 第99回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は22日、39大会で159試合が行われた。千葉大会では東海大市原望洋の今秋ドラフト候補右腕・金久保優斗投手(3年)が専大松戸との準々決勝で延長10回に自ら決勝2ラン。投げても先発、救援とフル回転し、春夏連続の甲子園出場へあと2勝に迫った。23日は、岩手大会決勝など41大会113試合が行われる。

 2―3で迎えた7回に2点を失った。交代を告げられた金久保は右翼に回った。走りながら、こう誓った。

 「自分のバットで取り返す」 3点差を追いつき、延長10回1死一塁で打席に立った。 6番打者は初球、狙っていた直球を迷わず振り抜いた。 「打った瞬間、いったと思った」

 打球は右中間席に飛び込んだ。高校通算5本目となる勝ち越し2ラン。珍しくガッツポーズを繰り出した。実は「ピッチングよりバッティングの方が好き」と言う。今春のセンバツでは4番を任されただけに、元々自信はあった。有言実行のひと振りだった。

 前日に131球を投げ、2失点完投。先発はこの日朝に告げられた。「エースなので(連投は)関係なく決めた」と浜崎雄作監督。2日連続の先発は、自身初だった。前日は病院で超音波などの治療を1時間受けた。自分が思っている以上に体は疲れていた。同じ今秋ドラフト候補右腕・川上との投げ合い。自己最速にあと1キロに迫る146キロを投げ込んだが、5回から3イニング連続で失点して逆転された。11四死球と大荒れで「一人で苦しくさせてしまった」。責任を感じていた。2点差の9回には、自らの意思でキャッチボールを始めると、打線が2死から追いついてくれた。

 土壇場の同点劇。エースに再び声が掛かった。

 「切り替えができていた」

 9回から上がった2度目のマウンドは打たせて取る投球を心掛けた。延長戦で自らのバットで勝ち越し、10回は相手の攻撃を気迫で抑えた。186球。2日間で計317球の熱投だった。

 試合後「今はそんなに疲労はない。明日がやばいと思う」と笑った。この日のZOZOマリンは、準々決勝では異例の外野席開放。「金久保劇場」が、1万6000人の大観衆を沸かせた。 (坂本 寛人)

 ◆金久保 優斗(かなくぼ・ゆうと)1999年(平11)11月4日、千葉県生まれの17歳。小1から野球を始め、中学時代は佐倉シニアでプレー。中3夏に全国大会2冠。東海大市原望洋では1年秋に背番号4で初のベンチ入り。2年夏から投手。家族は両親と妹。1メートル83、75キロ。右投げ左打ち。

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