日本人大リーガーの散髪事情 片道1時間半は「しんどい」

[ 2017年7月19日 11:10 ]

アストロズの青木
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 一昨年8月の当欄で当時楽天担当、現中日担当の徳原記者が、プロ野球選手の散髪事情について書いていたが、今回は日本人大リーガーの場合について書いてみたい。

 ほとんどの選手は、現地で日本人が営業している美容室を見つけて通う。ヤンキースの田中もそうだし、元ヤンキースの松井秀喜氏もそうだった。日本人と欧米人の髪質が違うせいか、日米でカットの手法も異なるようだ。私も米国人の店で散髪した経験があるが、米国人の場合は髪を「すく」という概念が、あまりないらしい。

 どんなスタイルにしてもらうか英語で伝えるのが難しかったり、面倒だったりという理由もあるだろう。しかし、日本人のカットにも問題点が。大リーグの過密日程の中では「切る日」と「切る人」のスケジュールを合わせるのが、かなり大変だということだ。そこで、アストロズの青木は、各球団のクラブハウスに週1〜2回出張してくる現地の理容師に頼んでいる。

 「楽でいいですよ。2週間に1回くらい切ってもらいます。遠征先(のクラブハウス)で切ってもらうこともあるし」。米移籍当初は、ブルワーズの本拠地ミルウォーキーから近隣の大都市シカゴまで日本人の美容室を求めて通い、時には自宅へ出張してもらうこともあった。しかし、片道1時間半の距離が「自分で行くのもしんどいし、来てもらうのも申し訳なかった」という。何より、貴重な休養時間の多くを割いてしまうことになる。

 無駄な労力をカットして、シンプルな短髪をキープすることを選んだ青木は「(日本人の知り合いに)板前、板前と言われますけどね」と笑う。ただ、最近こそ刈り方を「ナチュラル(緩やか)に」などと頼んでいるが、米国の理容師は後頭部や耳の上などの刈り方で個性を出すため、ワイルドな仕上がりにされたことも数知れず…。毎試合、毎打席変わる彼の打撃ォームだけでなく、頻繁にリニューアルされるヘアスタイルに注目するのも面白いかも。(記者コラム・大林 幹雄)

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2017年7月19日のニュース