胃がん手術の広島・赤松 激しい吐き気、6種類の薬…闘病生活支えた妻に感謝

[ 2017年7月17日 22:15 ]

3軍練習場で本格的にトレーニングを再開した赤松
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 胃がんを患い、今年1月に切除手術を行ったプロ野球・広島の赤松真人外野手(34)が17日放送のTBS「壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち」(月曜後7・00)に出演。妻・寛子さんと家族の支えに感謝した。

 赤松は立命大からドラフト6巡目で2005年に阪神入りし、08年に広島に移籍。守備と走塁のスペシャリストとして活躍し、昨年には25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。7歳と5歳の2人の子どもにも恵まれ、幸せなプロ野球人生を歩んでいたが、優勝の喜びから1カ月後、寛子さんが受診を強く薦めた人間ドッグで胃がんが発覚する。「自分が侵されているとは夢にも思わなくて。こんなに元気なのに死ぬっていうのがイコールに繋がる…」と告知を受けた瞬間の思いを振り返った。寛子さんは「“野球ができないかもしれない”と思っている主人のことを思うと代わってあげられたらなあと…」と明かした。

 日本のプロ野球界で、がんの手術後に1軍復帰した選手は一人もいないが、復帰を目指す赤松は過酷な闘病を決意する。今年1月に行った胃の切除手術は成功し、懸念していた全摘出も免れたが、病理検査でリンパ節への転移が見つかってしまう。34歳という年齢も考え、一日でも早い復帰を目指す赤松は、強い副作用を伴う飲み薬と点滴による抗がん剤治療を開始する。

 半年に渡る抗がん剤治療は壮絶なものとなった。1日に6種類の薬を服用。水を飲むのも辛い状態に。さらに3週間に一度投与する点滴の抗がん剤は副作用がキツく、強い倦怠感に襲われる。深夜になると突然激しい吐き気が襲い、ひどいときには一晩に4度も苦しんだときも。寛子さんの看病は朝まで続き「私も何もしてあげられないので。身体をさすったりとかそういうことしかできなかった」と辛い心境を吐露した。

 気持ちを奮い立たせたのが家族とカープファンの存在。真っ赤に染まったスタジアムでプレーしたいという気持ちが原動力になり、辛い闘病生活を乗り越えた。半年後の検査で、がんの再発は見られず抗がん剤治療は終了。今月11日から本格的な練習を再開した。初日はランニング15分とウオームアップ程度のことしかできず「動いていたのに自分の足じゃない感じ。棒というか…。こんなんじゃ運動会でお父さん負けちゃうよ」と冗談を交えてボヤいたが、練習場から引き揚げる際には、待ち受けたファンが「おかえりなさい!」とエール。復帰へのスタートラインに立った一日を喜んだ。

 赤松は「身近にいる妻、妻の存在がなければ耐えられなかったと思う」と寛子さんの献身的な支えに感謝。寛子さんは「頑張りすぎるところがあるので、ときには弱音をはきながら頑張って欲しいです」と夫にメッセージを送った。

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