レイズ 大谷獲り本格参戦へ 次回登板に合わせ幹部が来日、直接視察

[ 2017年7月17日 08:00 ]

14年の日米野球でレイズの選手と対戦した大谷
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 今オフにポスティングシステムを利用して、メジャー移籍の可能性がある日本ハム・大谷翔平投手(23)の争奪戦に、レイズが本格参戦する見通しであることが16日、分かった。選手育成に定評のあるレイズは、今年6月にドラフト1巡目で指名した選手を二刀流で起用するプランを整備。日本人スタッフがフロント入りするなど「大谷シフト」が完成しつつある。

 大谷を巡るメジャー球団の狂騒曲で、意外なチームが急浮上した。今季開幕時の年俸総額が30球団中27位と「スモール・バジェット(低予算)」で知られるレイズだ。右腕の次回登板に合わせてカルロス・ロドリゲス国際担当スカウティングディレクターが来日し、投球を直接チェックすることが判明した。

 レイズは、ヤンキースやレッドソックスなど資金力も伝統もある強豪がひしめくア・リーグ東地区で過去10シーズンで4度、プレーオフに進出。原動力は選手育成で、その10年間に両リーグ最多となる3人の新人王を輩出した。今年6月のドラフトでは1巡目(全体4番目)でルイビル大の投手兼一塁手、ブレンダン・マッケイを指名。現行制度では史上2番目に高額の契約金700万7500ドル(約7億9185万円)でサインし、大谷より一足先に二刀流として本格的に育成するプランを組んでいる。

 関係者によれば、まずは1Aで投手、一塁手、DHとしてプレーするという。投手としては、30イニングの投球制限を設定してスタート。米国ではドラフトされた年の秋からマイナーでプレーすることが可能だけに、今オフ、大谷がポスティングシステムで米国への移籍を決断した場合にも、マッケイをモデルケースとして活用できる。

 花巻東時代から大谷の密着マークを続けているドジャース、5月中旬にGMを筆頭に4人がかりで千葉・鎌ケ谷のファーム施設を訪れたレンジャーズなどに負けじと、レイズも着々と態勢を整えている。日本在住のスカウトはリハビリ中の鎌ケ谷だけでも5度視察。今年5月には球団初の日本人フロントスタッフとして、神藤浩人氏(51)が環太平洋担当コンサルタントの要職に就任した。横浜の球団職員として渉外担当を務めた経験があり、過去にメジャー公認の代理人資格を得ている神藤氏は、日本や韓国選手の獲得交渉にあたる。

 当初は高校から直接メジャーに挑戦することを望んでいた大谷を翻意させたのが、育成に定評がある日本ハムの二刀流プラン。米国移籍交渉の際にも「育成のレイズ」が台風の目となるか。

 ▽レイズ 98年に球団拡張の一環としてデビルレイズとして誕生。08年に現チーム名に改められた。本拠はフロリダ州セントピーターズバーグにあるトロピカーナ・フィールド。日本人選手は過去に野茂英雄、森慎二、岩村明憲、松井秀喜が在籍。森と岩村はポスティングシステムで日本球界から直接獲得した。岩村が在籍した08年には初の地区優勝とリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズで敗れた。

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2017年7月17日のニュース