【神奈川】平塚江南が守り勝ち 文芸部と掛け持ちの異色球児も貢献

[ 2017年7月15日 19:50 ]

第99回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦   平塚江南2―1山手学院 ( 2017年7月15日    ひらつか )

<山手学院・平塚江南>文芸部と掛け持ちで野球を続けている平塚江南の府川は、小説も書いている
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 平塚江南が、初回に奪った2点をエース・富田歩投手の粘投と守備で守り切り、山手学院を2―1で破って3回戦に進出した。富田は「最低限、粘って、踏ん張って投げることはできた」と硬い表情で振り返ったが、賀澤進監督は「春までは守れないチームだったが、新戦力が入ってきて守備ができるようになり、富田の足を引っ張らなくなった。こんなに粘る富田は見たことがない」と、エースを中心とした守りをたたえた。

 昨夏は、打撃のチームとして16強まで進出したが、ことしの守備のチームの一翼を担っているのが、1番・中堅の府川颯太だ。3打数無安打だったが、2度の守備機会は確実に処理した。「守りの野球をスローガンにしてきた。それが色濃く出ていたように思う」と、独特の言葉使いをする府川は、文芸部と掛け持ちで小説も書くという異色球児だ。

 高校では野球をするつもりだったが「それだけでは単調な学校生活になると思い、違う世界、特に文化系の世界に足を踏み入れようと思って」、野球部と両立ができそうだった文芸部にも入った。

 書いているのは、小説。「夕焼けの教室で友だち2人が話している、といったような現実の世界から元ネタを引っ張ってきて、書いたりしている」。最近は野球が忙しくて執筆は滞っているが、自らの作品を「小説というより、ポエム的なものになっている」と明かした。

 次戦の相手、平塚学園には、5月の練習試合で抑え込まれた。府川は「先輩たちが成し遂げたベスト16にいけるように、頑張りたい。守りからリズムをつくって、泥臭くてもいいから、チャンスをつかんでいきたい」と、現実に戻って前を見据えた。

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2017年7月15日のニュース