日本ハム 成績に左右されない観客動員力 地元の声援を無駄にするな

[ 2017年7月15日 10:45 ]

声援を送る日ハムファン
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 ある球団OBが満員のスタンドを見渡し、感慨深げな表情で言った。「昔はガラガラだったのになぁ」。日本ハムファイターズが東京から北海道に本拠地を移転した04年、当時は全国的に人気があった巨人や準本拠地構想があった西武のファンも多かった。開幕前の3月、球団職員が札幌駅前でチームの日程表を配布したが、ほとんどが道に捨てられた。職員は泣きながら回収したという。

 あれから13年。ファイターズは北海道民が誇れる球団へと成長を遂げた。昨季までに5度もリーグ優勝を達成。限られた資金の中で既成概念にとらわれないチーム編成やドラフト戦略でチームを強化。球団もスタジアム演出の追求や、地域との共生をテーマとした地道な営業活動を継続している。日本一まで上りつめた昨年は、球団史上初めて主催試合の観客動員が200万人(207万8981人)を突破した。

 今季はチーム成績に左右されない動員力を証明している。チームは開幕から下位に低迷も6月24日の楽天戦(札幌ドーム)で主催試合の観客動員が100万人突破。35試合目は本拠地移転後で最速だ。同日を含めた23日からの3連戦は「レジェンドシリーズ」と題し、選手は東映フライヤーズ時代の復刻ユニホームを着用。タレントの板野友美の始球式や宇宙戦隊キュウレンジャーとのコラボ企画など老若男女が楽しめる企画を行い計9万3833人が来場した。前半戦最後の本拠地3連戦だった今月7〜9日のソフトバンク3連戦もガールズユニホームの配布や「彼氏にしたい選手権」を実施(1位・中島、2位・西川、3位・大谷)。いずれも好評だった。

 栗山監督は事あるごとに「北海道のファンの方々からは、いつも大きな力をもらっている。そのためにも全力でプレーしなければいけないし、その気持ちは必ず伝わると信じている」と語る。前半戦を終え、CS圏内の3位・西武とは14・5ゲーム差も、まだ61試合が残されている。地元の声援を無駄にはできない。(記者コラム・山田 忠範)

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2017年7月15日のニュース