【奈良】天理が辛勝発進 「天理のバレンティン」は「きっとうまくいく」

[ 2017年7月14日 17:55 ]

第99回全国高校野球選手権奈良大会2回戦   天理3-2香芝 ( 2017年7月14日    佐藤薬品 )

 天理が今大会初戦で香芝に3―2で勝ち、3回戦に進んだ。2―2で迎えた7回1死三塁で、4番の神野太樹(3年)が左前適時打を打って勝ち越し、接戦を制した。

 名門の4番はポテンシャルが違う。神野は7回に巡ってきた好機で、2ボール2ストライクから読み通りに来た内角真っすぐを捉えた。打球は三遊間をまたたく間に抜け、左前に達した。「前までの打席も内角に(相手捕手が)構えていたのが多かったので、狙っていました。きょうの一本は価値がある」。決勝打に、一塁ベンチに向かって小さくガッツポーズした。

 1年夏からレギュラーになり、15年夏の甲子園も経験した。中村良二監督から大きな期待を寄せられたが、結果を出せない日々が続いた。今春の練習試合で内角球に腰を引く姿勢を見せ「4番が腰を引いたら士気が下がる」と叱責された。以降は140キロ超に設定した投球マシン相手の内角打ちや、打撃フォームの軸回転の修正など、弱点克服に取り組んだ。打席の位置も半足分ホームベースから離れて立っていたのを、ベース側目いっぱいに立つようにして内角への意識付けをした。「打つポイントが分かり(最後の夏を迎えて)ギリギリ打てるようになった」。いずれも内角球を打った3安打1打点に胸を張った。

 1メートル71、77キロの筋肉質の体、ヤクルトのバレンティンに似た風貌から「天理のバレンティン」の愛称を持つ。帽子のひさしの裏には、「大好きな映画のタイトル」と言う「きっとうまくいく」との文字が書かれている。「見ると、ミスにもビビらずプレーできる」。2年前、1回戦で創生館(京都)に2―3で敗れた夏の甲子園は、4打数無安打に終わり、自身の前にサヨナラ負けとなる打球が落ちた。弱点を克服し心身ともに成長した今なら「きっと、うまくいく」はずだ。

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2017年7月14日のニュース