ふたば未来学園ノーヒッター夏初勝利!左腕・草野が“幻惑”快挙

[ 2017年7月12日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権福島大会2回戦   ふたば未来学園3―0福島北 ( 2017年7月11日    いわきグリーン )

初の夏1勝に大喜びのふたば未来学園ナイン
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第99回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は24大会181試合が行われた。福島大会では、ふたば未来学園の草野陸世(りくと)投手(3年)が福島北戦で無安打無得点試合を達成。東日本大震災の被災地に15年に設立され、3年目で夏初勝利を挙げた。部員10人でセンバツ出場した不来方は岩手大会初戦で敗退。12日は24大会で226試合が行われる。

 1年生。先発したが、1―12でコールド負けした。2年生。古豪・学法石川を相手に完投もむなしく0―5で敗れた。迎えた3度目の夏。ふたば未来学園の草野が、こん身の直球で31人目の打者を右飛に打ち取る。夏の初勝利に、ノーヒットノーランという大輪の花を添えた。

 「試合中は必死で、(記録は)校歌を歌う前に言われるまで気づかなかった。今でも実感が湧かない」

 1メートル62の技巧派左腕。最速は117キロでも、60キロのカーブなどを駆使し打者の的を外した。最大のピンチは6回1死満塁。集まってきた仲間に「バックネットを見て落ち着こうぜ」と言いながら、正反対のバックスクリーンを指さして和ませる余裕があった。後続を断ち、終わってみれば88球での快挙達成だ。

 小学5年時に被災。自宅は福島第1原発から20キロ圏内の楢葉町にあり、避難先のいわき市で野球を再開した。高校では自宅と同じ双葉郡内に開校した新設校の「1期生」になることを決断。遠藤主将と2人でスタートし、初年度は部員集めに奔走した。練習場所を転々とするなど苦労は絶えず、結果も出ずに何度も涙をのんできた。

 開校に伴い、サテライト方式で授業を続けてきた双葉郡の5校(双葉、浪江、浪江津島分校、富岡、双葉翔陽)が3月で休校となった。遠藤は「休校になった学校の思いも背負って頑張ってきた。震災の後にできた学校。希望の光という存在でありたい」と話す。高校最後の大舞台で「真のエース」となった草野は「このチームで甲子園を目指したい気持ちがますます高まった」。輝かしい未来へ、幕は上がったばかりだ。 (秋元 萌佳)

 ▽ふたば未来学園 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島県双葉郡の人材育成を目指し、15年に広野町に開校した男女共学の県立高。開校に伴いサテライト方式で授業を続けていた双葉郡の5校(双葉、浪江、浪江津島分校、富岡、双葉翔陽)は17年3月で休校となった。校歌は秋元康氏がプロデュース、制服はAKB48の衣装デザイナー茅野しのぶ氏がデザインし話題となった。

 ◆草野 陸世(くさの・りくと)2000年(平12)3月17日、福島県楢葉町生まれの17歳。小4から楢葉イーグルファイターズで野球を始める。家族は両親と弟、妹。1メートル62、54キロ。左投げ左打ち。

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