【埼玉】青空ツインズ 以心伝心1勝 北本が2年ぶり初戦突破

[ 2017年7月10日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権埼玉大会1回戦   北本4―1南稜 ( 2017年7月9日    上尾市民 )

<南稜・北本>9回、打席に立つ双子の兄・田辺青(右)をネクストバッターズボックスから見守る北本・田辺空
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 北本の「青空」ツインズが、あうんの呼吸で2年ぶりの夏の白星をもたらした。4―0で完封目前の9回だ。双子の兄のエース右腕・田辺青(じょう)は1点を失い、なおも自らの失策で無死一、三塁。すると、普段はマウンドに足を運ばない二塁手の弟・空(そら)がすっと駆け寄った。「まだ余裕があるからゆっくりやろう」。これで「冷静になれた」と青は後続をしのぎ、1失点で完投した。

 スコアボードには「8番・投手」で青、「9番・二塁」で空が入った。練習試合でも同じ並びだが、スコアボードに名前が並んだことで「青空」の文字が完成。空は「気持ちが高まった」と2安打1得点。守っても3度の守備機会をこなして兄の投球を助けた。

 青は小4から野球を始めて外野一筋だったが、高2の時に斉藤秀夫監督に送球の球筋を認められて投手転向。投手の経験が少ない兄は「嫌だなという場面で声を掛けてくれる」と弟に感謝。「ゲロゲ〜ロ」のギャグで有名なベテラン漫才コンビ「青空球児・好児」ばりに息もぴったりだ。

 父・治さんも埼玉・吉見(現滑川総合)でプレーした元高校球児。小学生時代から父と3人で家の前でキャッチボールをしてきた。「2人で甲子園に行くのが夢だった」。青空の下で輝いた田辺ツインズの笑顔。熱い夏は始まったばかりだ。 (東尾 洋樹)

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2017年7月10日のニュース