マー 完全復活7勝 決め球カーブ使える「もっと自信を持っていいのかなと」

[ 2017年7月5日 05:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース6―3ブルージェイズ ( 2017年7月3日    ニューヨーク )

<ヤンキース・ブルージェイズ>米国の独立記念日を祝したユニホームで快投を披露した田中
Photo By スポニチ

 完全復活だ。ヤンキースの田中将大投手(28)が3日(日本時間4日)、ブルージェイズ戦に先発し、7回5安打1失点、8奪三振で7勝目(7敗)を挙げた。3試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)は今季自己最長タイ。前回登板で51日ぶりの白星を挙げた右腕は、追い込んでからのカーブで投球の幅を広げ、本来の輝きを取り戻した。

 きっちりタイミングを外した。2点リードの6回2死。田中はカウント2―2から4番モラレスに真ん中低め、79マイル(約127キロ)のカーブを投じた。打球はヤンキースタジアムの狭い右翼深くへ飛んだがフェンス際で失速。右翼手ジャッジが捕球し、田中はグラブを大きく叩いて喜んだ。

 「ほどよく全て(の球種)が良かった。特別なことをしたつもりはないけど、一球一球にしっかりとフォーカス(集中)しながら投げていった結果」

 7回5安打1失点。6回以外は走者を背負ったが、落ち着いていた。7回2死二塁では、痛烈な投ゴロを好捕し「ちょっと危なかったけど反応だけで捕った」。米国の独立記念日(4日)を祝したユニホームで躍動した田中は、満員4万6616人の地元ファンの喝采を浴びた。ジョー・ジラルディ監督は「4球種が全て良かった。カーブを有効に使った」と称賛した。

 以前からカーブを、早いカウントで目先を変える球種としては使っていた。「僕の(打者を仕留める)武器ではない」と話したこともあった。だが、両軍先発が3安打以下、9奪三振以上で無失点という「100年で2度目」の歴史的な投げ合いをダルビッシュと演じた先月23日からは、追い込んでからも投じている。この日は最多5球。「アクセントにはなってきている。打者の反応を見ても、もっと自信を持って投げていいのかなと、ここ数試合感じていた」と手応えを口にした。

 3戦連続クオリティースタートは4月以来で今季最長タイ。その期間は21回で自責点はわずか3点、防御率1・29だ。今季初の3戦連続被弾なし。6連敗を喫する前の安定感を取り戻し「自分の中でトライしてきているものが結果として出てきている」と実感する。

 チームはシーズン折り返しの81試合を終え、田中は7勝7敗の五分に戻した。日本投手では単独トップとなったが、自身の投球回は97回2/3で、最低目標に掲げる200イニングのペースに届いていない。「それはそうでしょう。(連敗中の)あんな登板ばっかり繰り返したら」と苦笑いしたが、巻き返す態勢は万全だ。(ニューヨーク・大林 幹雄)

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月5日のニュース