有原の逆襲 復活確信5勝目 精度抜群カット戻った

[ 2017年7月1日 11:30 ]

<ロ・日>8回1死一、二塁、鈴木を右飛に打ち取り声を上げる有原
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 復活の予感だ。日本ハムの有原航平投手(24)が30日、ロッテ戦で8回1失点の好投。今季5勝目を挙げてチームの連敗を5で止めた。最速154キロの直球にカットボールの精度が抜群で逆転勝利を呼ぶ力投。自身初の開幕投手を務めながら不調で2軍降格も経験した今季、逆襲に向けて有原がまた一つ完全復活への階段を上がった。

 帰りの球場駐車場。有原は表情をグッと引き締めた。「前半戦、負けてばっかりだった。これからしっかり貯金をつくれるように頑張りたい」。8回1失点で今季5勝目。苦しんできたエースが完全復活へまた前進した。

 ハイライトは0―1の6回2死満塁。もう1点もやれない大ピンチで闘志を前面に押し出した。「カット(ボール)がいいところに行っていたし、相手は嫌だったと思う。何とかゴロを打たせたいと思い、ああいう配球になった。最後、ゴロになって良かった」。昨季の首位打者・角中に4球全てカットボール。最後は詰まらせ、遊ゴロに仕留めた。最速154キロの直球に、このカットボールの精度が抜群だった。

 有原の好投が攻撃の流れを呼び、直後の7回に一挙6点を挙げて逆転。8回1死一、二塁では、鈴木、パラデスの両左打者をいずれもカットボールで右飛に仕留めた。「(カットボールは)腕が振れないと真っすぐと見分けがつきやすい。そういう面でだいぶ良くなった」。初回に先制点こそ許したが、エースに期待される男が我慢の投球でチームの連敗を5で止めた。

 今季は自身初の開幕投手を務めながら、不調で5月末に2軍降格。1軍を離れる際、吉井投手コーチやトレーナー陣から「(投球動作で)体の動きが小さくなっている」と指摘を受けた。結果を求めるあまり、有原本来のダイナミックさが失われつつあった。それ以来、有原はブルペン投球で「(踏み込んだ)左足に体重が乗るように意識している。そうすれば直球もフォークも腕が振れてくる」。1軍復帰後は3戦連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)と安定感を取り戻した。

 栗山監督は「これで本人も安心するんじゃないか」と目を細め、有原は「初回からもっと良いボールを投げたい。1イニングでも多く投げられるようになりたい」と力を込めた。きょう1日に大谷が2軍戦で復帰登板を迎えるが、有原こそ先発の軸。低迷する昨季日本一覇者の逆襲のキーマンにならなければならない。 (柳原 直之)

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2017年7月1日のニュース