楽天・安楽 チーム金曜連敗「8」で止めた 魔からプレミアム・フライデーに

[ 2017年7月1日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天4―3ソフトバンク ( 2017年6月30日    Koboパーク宮城 )

<楽・ソ>試合後のステージでファンと一緒にバーンポーズをとる安楽
Photo By スポニチ

 楽天・安楽は今季初勝利に胸を張った。お立ち台で「絶対負けられない試合。気持ちを込めた」と語気を強めた。「苦しいシーズンの始まりだったけど何とか1勝できた」。開幕直前の大ケガを乗り越えた20歳が、首位攻防戦の初戦を制した。

 序盤に4点の援護をもらったが、5回に柳田の2ランで1点差に迫られた。「これでは成長できない」と自分を奮い立たせ、1死一塁から長谷川勇を134キロのフォークで空振り三振。松田は6球連続の直球で追い込むと、10球目に134キロのスライダーで空振り三振に斬った。

 最後のガッツポーズは苦しい道のりの表れだ。先発ローテーション入りが内定しながら右大腿二頭筋を部分損傷。「悔しい気持ちしかなかった」という開幕は2軍で迎えた。14日のヤクルト戦で1軍復帰したが、ここまで2試合で2連敗を喫していた。

 自分の直球じゃない。中6日の間に4度のブルペン投球。則本の指摘を受けてインステップ気味のフォームを矯正した。岸からの助言で登板前の投球練習では最後の10球を全力で投げた。5回8安打3失点。満足できる内容ではないが「この勝利で流れをつかめたらいい」と前を向いた。

 チームは金曜日に限れば8連敗中だった。ローテーションが確定しない金曜日だったが、則本、美馬、岸に安楽が加われば、さらに強力な先発陣になる。

 梨田監督も「フライデー。最近(勝てないと)責められるからね」とホッとした表情だった。1分けを挟んでの4連勝で、貯金は今季最多の23。2位ソフトバンクを1・5ゲーム差に突き放した。魔の金曜日を安楽が「プレミアム・フライデー」に変えた。 (君島 圭介)

 ▽安楽のプロ初勝利 1年目の15年10月5日のソフトバンク戦(コボスタ宮城)。シーズン142試合目で初登板初先発。序盤から制球に苦しみ、4回まで毎回の5四球を出したが、最速146キロの直球を軸に6回2安打無失点。楽天では高卒新人のデビュー戦勝利は07年の田中や14年の松井裕も達成しておらず、球団史上初の快挙となった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月1日のニュース