楽天・松井裕「回したくなかった」代打待機の大谷出番なしK斬り

[ 2017年6月25日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天2―1日本ハム ( 2017年6月24日    札幌ドーム )

<日・楽>今季最長タイの2イニングを無失点に抑え、3勝目を挙げた松井裕
Photo By スポニチ

 楽天・松井裕樹投手(21)が24日、日本ハム戦で9回から2イニングを零封して今季3勝目を挙げた。延長10回は日本ハム・大谷翔平投手(22)が代打準備。目の前でピンチを断ち出番を封じた。2位のソフトバンクに0・5ゲーム差で迎えた一戦。首位チームの守護神が存在感を示した。

 最初は小さなざわめきだった。それが瞬く間に客席全体に伝播(でんぱ)し、異様な雰囲気に包まれた。延長10回2死一、二塁。松井裕も空気の変化を感じ取った。視線の先のネクストバッターズサークルには大谷の姿があった。

 「歓声が上がっていた。(大谷)翔平さんが出ると(もっと)凄い雰囲気になる。回したくなかった」

 過去の対戦は1打数無安打。とはいえ、日本ハムの至宝が左太腿裏肉離れから復帰後の初打席に臨むとなれば、大歓声が向かい風になるのは必至だ。その前に止める必要があった。

 視線を打席に戻した。相手の矢野に集中した。カウント2―2と追い込むと143キロの外角直球で空を切らせた。直前のレアードは敬遠気味の四球。「ベンチの意見を聞いて、最善の選択をした」。勝負したい気持ちを抑えて零封した。大谷にも出番を与えなかった。自然と雄叫びが出た。

 11回に味方が勝ち越し。今季最長タイの2回を1安打に抑えた左腕に、3勝目が転がり込んだ。30試合に登板し防御率は0・28。驚異的な数字を残しながらも、満足感はない。「福山さんは防御率0・00ですから。負けられない気持ちはある」。ライバル意識が好調を支えている。

 ソフトバンクは敗れ、ゲーム差を再び1・5に広げた。一時はチーム打率・280を超えていた打線も最近は湿りがち。松井裕は「助けてもらってばかりなので、投手で試合をつくって前半戦の恩返しをしたい」。強いチームには絶対的守護神がいる。 (黒野 有仁)

 ≪マイナス0.5差回避≫首位楽天が勝ち、2位ソフトバンクが敗れたため、23日の0・5ゲーム差から1・5ゲーム差に開いた。もっとも、この日楽天●、ソフトバンク○でも楽天の勝率・645に対しソフトバンクは・638で首位交代はなし。この場合、楽天が40勝22敗の貯金18、ソフトバンクが44勝25敗の貯金19となりマイナス0・5ゲーム差の珍現象が生まれるところだった。

続きを表示

2017年6月25日のニュース