早実・清宮の驚異的スイングスピード、相手が捕飛と思ったら…

[ 2017年6月23日 10:20 ]

5月22日の春季関東大会、作新学院戦の8回1死、右越えにソロ本塁打を放つ早実・清宮
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 高校通算最多とされる山本大貴(神港学園)の107本まで残り4本に迫る早実・清宮幸太郎内野手(3年)。何よりもスイングスピードの速さが本塁打を量産する要因の1つだろう。その凄さを表す写真がある。

 それは今年5月22日の関東大会準々決勝の作新学院戦で右越えに本塁打を放った場面だ。3―8の8回1死走者なし。作新学院のエース右腕・篠原の内角直球を捉え、95号を放った。現地で取材していた記者も観衆も白球を追いかけたが、右翼席からカメラを構えていたカメラマンが珍しい光景を捉えていた。「うまくさばけた」という清宮の視線は右翼へ伸びる打球を追いかけているが、作新学院の加藤翼捕手(3年)は右翼ではなく、真上を見上げている構図だ。

 この場面について加藤に聞いてみた。すると、舌をぺろっと出し、恥ずかしそうに振り返ってくれた。「(内角高めの直球は)やや甘かったけど、打ち取ったボールだと思いました。キャッチャーフライだと思った」。しかし、真上を見上げた加藤の視線の先に白球はなかった。大歓声と野手の動きを追って右翼に打球が飛んだと気づいた。昨夏の甲子園を制した名門の扇の要でも「こんなことは初めてです」と驚いた。そして「(清宮は)バーンとすくい上げるように打つ。スイングスピードは段違いに速かった。急に(視界に)バットが出てくる感じ」と清宮のスイングを間近で体感した感想を口にした。

 清宮も全国レベルの相手からの一発に「凄い自信になった。いい投手に対する対し方もできつつある」と自信を深めた一戦。その後、順調に本塁打を103号まで積み重ねた。早実は21日に予定していた練習試合が雨天中止となったため、記録更新は今夏の西東京大会以降となることが決まった。2季連続の甲子園出場を決め、栃木大会7連覇を狙う作新学院との再戦はあるのか。いよいよ球児たちの熱い夏が始まる。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2017年6月23日のニュース