屈辱3度マギー敬遠…巨人・亀井 涙の逆転サヨナラ弾「心が折れていた」

[ 2017年6月19日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   巨人7―5ロッテ ( 2017年6月18日    東京ドーム )

<巨・ロ>延長12回1死一、二塁、亀井(右)はサヨナラ3ランを放ち、高橋監督と涙しながら抱き合う
Photo By スポニチ

 巨人の亀井善行外野手(34)が18日、ロッテ戦で延長12回に今季1号となる逆転サヨナラ3ランを放った。途中出場して2度の好機で凡退を繰り返したが、最後に意地を見せた。球団ワーストの13連敗を喫した交流戦の最終戦。6勝12敗として球団初の最下位を免れ、就任2年目の高橋由伸監督(42)は監督通算100勝目を挙げた。

 こらえきれない。三塁ベースを回った亀井はフラフラしながら歓喜の輪に身を委ねた。涙が出てきた。選手の手荒い祝福の後、高橋監督と抱き合う。涙は止まらなくなった。

 「本当に心が折れていたので…。最後打てなかったら命を取られる。それくらいの気持ちでいった」

 三度目の正直だった。2打席連続本塁打を放った5番・阿部が右膝を痛め途中交代。7回の守備から出場した亀井は8、10回と2度の好機で、4番のマギーが敬遠された直後に凡退していた。2点を追う延長12回に1点を返し、なお1死二塁。再びマギーが歩かされて回ってきた。「本当に悔しかった。負けたら全部、僕の責任」。3球目、大嶺祐が投じたフォークを強振して右翼席へ叩き込んだ。

 開幕から勝負どころの代打での起用が続いた。代打では10安打11打点も、先発では4安打0打点と結果が出ない。「どうしたらいいんだろう」と迷っていた。救いの手を差し伸べてくれたのが、高橋監督だった。現役時代の晩年は主に代打での出場が多かった指揮官は「僕の最後と立場が似ているから」と折を見て声を掛けていた。

 相手に策を知らせないため、代打のコール後にベンチ裏から打席に向かう。投手にプレッシャーを与えるために、あえてネクストバッターズサークルで素振りをする。亀井は「監督や二岡コーチは代打をやっていたし、気持ちが分かってもらえている」と感謝する。

 代打で最も大切なことは「初球から振ること」だという。好球必打。高橋監督の現役時代もそうだ。8、10回の打席ではファーストストライクを見逃したが、12回は初球を豪快に空振り。代打での積極性を思い出し、最高の結果につなげた。

 チームは開幕カード以来となる同一カード3連勝。球団初となる交流戦最下位を免れ、監督通算100勝目を手にした高橋監督は「劇的な試合。思い出に残る。チームを救ってくれたし、自分で自分を救った一打」と、しみじみと振り返った。(川島 毅洋)

 ≪延長戦5本は球団最多≫亀井(巨)が延長12回に逆転サヨナラ3ラン。自身サヨナラ本塁打は15年7月29日DeNA戦の延長10回で放って以来通算6本目。うち延長戦は5本目になる。巨人の最多通算サヨナラ本塁打は王の8本、次いで長嶋、阿部の7本となっており6本は二岡と並ぶ4位タイ。延長戦5本は長嶋、松井の4本目を抜いて球団最多記録だ。また、巨人の延長逆転サヨナラ本塁打は

 年・月・日 相手  打 者 回

91・8・19中日  駒 田 10

93・8・14中日  川 相 10

06・4・21阪神 李スンヨプ 11

17・6・18ロッテ 亀 井 12

 亀井は11年ぶり4人目。ただし、過去3人はいずれも1点のビハインドから。2点ビハインドをひっくり返したのは亀井が球団史上初めてだ。

続きを表示

2017年6月19日のニュース