雄星、通算50勝!中日・小笠原との“甲子園スター左腕対決”制す

[ 2017年6月17日 06:00 ]

交流戦   西武9―1中日 ( 2017年6月16日    ナゴヤD )

躍動感あるピッチングで8回を1失点の菊池
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 西武・菊池雄星投手(26)が16日、中日を相手に8回を1失点に抑え7勝目を挙げた。小笠原慎之介投手(19)との初の投げ合い。甲子園を沸かせた左腕対決で今季3度目の2桁となる10三振を奪い、先輩の貫禄を示した。プロ8年目で通算50勝目に到達。エースが残り2試合となった交流戦の球団初となる最高勝率に望みをつないだ。

 試合後、菊池はブラックコーヒーをおいしそうにすすった。プロ入り後初のナゴヤドームで投げ、8回1失点で7勝目。「凄く気持ちよく投げられた」と声を弾ませた。8回はこの日最速の154キロを計測して3三振を奪い「最後と言われていて、三振を狙いにいった」と胸を張った。

 甲子園の新旧スター対決。菊池は花巻東で3年春にセンバツ準優勝に導くなど3度出場して全国に名を知らしめたが、同じ左腕の小笠原も東海大相模で3年夏に甲子園優勝投手に輝いた。19歳は菊池との投げ合いを熱望して登板日をこの試合に合わせたが、菊池も自身と重なる本格派左腕に特別な思いがあった。「高校時代から気にして見ていた。左で直球でガンガン押す投手はいない。打席に立ったけど人生であんな速い左の球は初めて」。菊池も打席に立った小笠原に超一級品の球で応えた。3回にスライダーで見逃し三振、6回は151キロの直球で空振り三振。「8割で投げられない。全球入魂です」。今季3度目の2桁となる10三振を奪った。

 プロ8年目で通算50勝目。抜群の潜在能力を考えれば、早いとは言えない。それでも「無駄な努力、経験はするなというけど、してきて良かったなと思う。良い経験ばかりでない。時間もかかったけど挽回するチャンスはある」と言葉を紡いだ。例年故障に苦しんだ反省から「脂肪を落としてケガのリスクを減らしたい」と体重を昨季終了時の102キロから今年は93キロに減量。食事は脂身が少ない鶏肉が中心でコーヒーも砂糖、牛乳を避けブラックを飲む。引き締まった体で疲労もたまりにくくなった。

 開幕から12試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)でリーグトップの防御率1・43。チームも交流戦最高勝率をつかむ可能性が残されている。「チームが勝てればいいです」。17日に26歳の誕生日を迎える菊池はエースらしく、そう言った。(平尾 類)

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2017年6月17日のニュース