巨人・坂本主将 バットで言葉で連敗止めた「うれしいです。素直に」

[ 2017年6月10日 05:35 ]

日本生命セ・パ交流戦   巨人2―1日本ハム ( 2017年6月9日    札幌ドーム )

<日・巨>5回2死二塁、坂本勇は中越えに勝ち越しの適時二塁打を放つ
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 第一声が全てを物語っていた。巨人・坂本勇は「うれしいです。素直に」と口を開いた。

 「1勝するのが難しいというのは選手全員が感じた」。主将は心身をすり減らしてきた。連敗中、自身の呼びかけで選手ミーティングを開き、円陣では気合を入れた。13連敗を喫した前夜、長く薄暗いメットライフドームの階段を上った。足が前に進まない。手すりをつかみ「もう、しんどいわ。ほんまに」と漏らしていた。

 2日連続で4年ぶりの「2番」に入った。第1、2打席は慎重になり自身を見失った。初回、高梨の1、2球目を見逃して3球目で空振り三振。3回も見逃し三振に倒れた。初対戦の投手に対して「振っていく中でタイミングを計る。見て、見て、振るとゼロからのスタートになる」が信条だが、忘れかけた。

 第3打席で我に返った。1―1の5回2死二塁。初球の142キロ直球をフルスイングした。打球は中堅フェンスを直撃し、勝ち越しの適時二塁打になった。

 「引っ張っていくのは当たり前のこと」という3年目の主将が、チームを結束させた。前主将の38歳阿部は一塁の守備に向かう際、高校球児のような全力疾走を見せた。選手会長の長野は札幌に到着すると、栄養ドリンク「ユンケル」を約100本もチームに差し入れた。首脳陣、選手、裏方スタッフ全員が気合を注入した。

 高橋監督は「苦しい中でチームの顔が打ってくれて良かった」と称えた。バットで、言葉で、背中で連敗は止めた。「雰囲気は変わってくれると思う。勝てるように、もう一回気を引き締めたい」。シーズンはまだまだ続く。 (神田 佑)

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