日本ハム栗山監督 侍ジャパン次期監督候補に 原氏、中畑氏らも

[ 2017年6月8日 06:10 ]

次期侍ジャパン監督候補に浮上した日本ハムの栗山監督
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 2020年東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンの次期監督候補の一人に、日本ハム・栗山英樹監督(56)が挙がっていることが7日、分かった。プロ、アマ合同の侍ジャパン強化委員会が都内で行われ、次期日本代表の監督候補との交渉を本格化させることが確認された。前巨人監督の原辰徳氏(58)、前DeNA監督の中畑清氏(63)らを含めた候補の中から7月末をメドに決定される。

 いよいよ新生侍ジャパンを託す新たな指揮官の絞り込み作業に入る。委員会を終えた井原敦委員長(NPB事務局長)は、すでに複数の監督候補の人選を済ませたことを明言。全員がプロ野球OBであることを明かし「プロ野球の監督経験があった方がいいという一方で、世代交代も必要。相矛盾する要件がある中、誰にお願いするかという話になっている」と語った。今後は同委員長と、副委員長を務める全日本野球協会(BFJ)の山中正竹理事の2人で、候補者と交渉を行う。

 井原委員長は候補の人数、氏名は明かさなかったが、関係者の話を総合すると、栗山監督の名前が挙がっている。日本ハムの指揮を執って6年目。就任1年目の12年にリーグ優勝し、昨季はソフトバンクとの最大11・5ゲーム差をはね返して、広島との日本シリーズでも2連敗から逆転日本一。選手の能力を最大化する指導力、常識にとらわれない采配に加え、人一倍の「野球愛」も併せ持つ。

 井原委員長は「選手との距離の問題でも、若い人がいいという意見もある」と言及。歴代の日本代表監督経験者へのヒアリングでも、世代交代を求める声が多かった。今回の監督の任期は20年東京五輪までで、自国開催での金メダル獲得が最大の目標とされている。

 栗山監督は56歳。ネックは現役指揮官という点だが、NPBでは五輪期間(7月24日〜8月9日)中のプロ野球中断を検討しており仮に栗山監督が日本ハムを率いたままでも「兼務」は理論上、可能だ。さらに次期監督は21年の第5回WBCでも指揮を執る可能性がある。日本ハム・大谷がその時点で海を渡っていても、栗山監督ならば二刀流起用法を熟知しているアドバンテージもある。

 09年の第2回WBCの代表監督として世界一に導いた原辰徳氏は巨人監督として計12年でリーグ優勝7度、日本一3度の実績を誇る。一昨年までDeNAを率いた中畑清氏(スポニチ本紙評論家)は、04年アテネ五輪で脳梗塞で倒れた長嶋茂雄監督に代わりヘッドコーチとして指揮を執った。実績と経験十分な名将か、現場を指揮する監督か。井原委員長は来月末までに新監督を決める意向だ。

 ▼侍ジャパン強化委員会・山中正竹副委員長 議論は尽くしてきた。(候補の)名前を出すと混乱するし、それは最後まで伏せよう、と。井原委員長と密に話をしていく。

 ◆栗山 英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日、東京都生まれの56歳。創価から東京学芸大を経て、84年ドラフト外で内野手としてヤクルト入団。2年目に外野手に転向し、89年にゴールデングラブ賞を獲得。90年に体調不良を理由に29歳で現役引退。その後はスポーツキャスターとして活躍し、11年11月に日本ハム監督に就任。1年目の12年にリーグ優勝、16年に日本一を達成した。1メートル76、74キロ。右投げ両打ち。

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