阪神・岡崎 まさか!13年目のプロ1号 金本監督「一世一代やね」

[ 2017年6月4日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   阪神4―2日本ハム ( 2017年6月3日    甲子園 )

<神・日>4回1死三塁、岡崎が左越えに1号逆転2ランを放つ
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 まさか、まさかの逆転弾だ!阪神は3日の日本ハム戦(甲子園)に4―2で勝利。1―2の4回1死三塁から、岡崎太一捕手(33)に13年目でのプロ初本塁打が飛び出した。連敗を2で止め、首位・広島を1ゲーム差でぴったりマーク。12年ぶり優勝をめざす猛虎に、また新たなヒーローの誕生だ!

「まさか」と言っては失礼だが、その言葉以外思い付かない。今季最多4万6720人の観衆も、金本監督も予想できなかった。「一世一代やね。最後にならないように、もう一回くらい見せて欲しい(笑い)。(打った瞬間は)あぜん。何が起きたのか一瞬わからなかった」と驚くしかなかった。

 岡崎は2球続けて空振りで追い込まれ、球場にはため息がもれた。大歓声に変えたのは4球目。高め変化球を左翼席に放り込んだ。

 「最高でした! 昨日大事な場面でスクイズを失敗したので、『絶対やり返す!』という強い気持ちで打席に入りました」

 しかし岡崎本人の中では決して偶然ではない。オフに西宮市の野球専門プロ施設「ベースボールメディカルセンター」の門を叩き、動作解析から打撃フォームを見直した。「2週間ぐらいバット振らず、持たず。下半身の使い方だけ練習した」。長期間バットを置くことは恐怖だが、同施設の相沢一幸代表指導のもと「腰を回す感覚じゃなく後ろ足を前足にぶつけて力を伝えるイメージで」と新たな感覚を得た。

 キャンプ出発まで同施設でメカニズムを体に叩き込んだ。今でも打撃練習では常に意識。「試合で打席に入ったら考えられない。無意識にできるように練習していく」。3回、8回にも安打を放ち、09年4月7日広島戦以来2度目の猛打賞。文字通り「打撃改造」した結果だった。

 「しんどい時ばっかりで良い思いをさせられていない。(記念球は)家族に見せたい」

 昨春、息子にインフルエンザの疑いがあった。甲子園から直帰しようとすると、夫人から「あなたはスポーツ選手。うつってはダメだから診断が出るまでは帰ってこないで」と言われた。「ありがたいですよね」と気遣いに感謝する。

 「(最後の捕邪飛も)ぶさいくな捕り方でしたが、まだまだ下手くそなんで失敗やエラーもすると思いますが、やられたらやり返す気持ちでいきます」。地味でも、泥臭くても、最高にかっこ良かったパパのアーチだった。 (巻木 周平)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ(岡崎について)ボールが甘いとか甘くないとかじゃなく、食らいついた結果。技術とか、そういう問題じゃない。気持ちじゃないかな。

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2017年6月4日のニュース