清宮 100号王手で球場“異様”最終打席「よぎっちゃいました」

[ 2017年6月4日 05:30 ]

招待試合   早実17―16中京大中京(第1試合)早実5―7桜丘(第2試合) ( 2017年6月3日    刈谷 )

<早実・桜丘>8回無死一塁、左飛に倒れ悔しがる早実・清宮。100号本塁打を阻止した桜丘・原悠(手前)はガッツポーズ
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 今秋ドラフトの目玉の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が3日、愛知県刈谷市で行われた招待試合2試合にいずれも「3番・一塁」でフル出場し、計3本塁打の大活躍で高校通算100号に王手をかけた。甲子園最多11度の優勝を誇る中京大中京から2発、今春愛知大会8強の桜丘から1発を放ち、計5安打9打点。4日の至学館、享栄戦で史上2人目の大台到達を狙う。

 高校生らしい一面をのぞかせた。第2試合の桜丘戦、6回に99号2ランを放って迎えた8回の最終打席。1万人収容の刈谷球場を埋め尽くしたファンが、一斉に左打席の清宮に携帯電話やカメラを向けた。

 異様な空気感を察知し、「(100号が)打席に入る時にちょっとよぎっちゃいました」と普段は冷静な怪物にも自然に欲と力みが生まれた。最後は直球を打ち上げて左飛に倒れ、悔しがった。

 大台まで残り4本塁打で愛知に乗り込んだが、重圧どころか一気に加速した。中京大中京戦の初回に放った左越え3ランが進化の証明だ。140キロ右腕・香村に外角低めのチェンジアップで崩されたが、バットのトップだけは残った。すくい上げた打球は風にも乗ってスタンドへ吸い込まれた。「風もあると思うけど、しっかり芯にも当たっていたし、日頃の練習の成果が出た」とうなずいた。

 「メジャーで本塁打王」を将来の夢に掲げる清宮の打撃練習は左方向から打ち始める。知人から教えてもらった通算541本塁打のオルティス(元レッドソックス)の練習法だ。「最近は意識しなくても(逆方向に)距離が出るようになってきた」と結果も伴ってきた。視察した中日・清水昭信スカウトは「左飛だと思った。技術とパワーの一発。体の軸がしっかりし、ヘッドスピードがあるから崩されてもつかまえられる」と称賛した。

 中京大中京戦の7回は143キロ左腕・磯村から右中間へ3ラン。第2試合の桜丘の146キロ右腕・原悠から右翼へ2ラン。プロ注目の3投手から打ったことは価値も大きい。招待試合は昨年の三重、福島、今年の熊本、沖縄と5県連続アーチ。4日の注目度はさらに増すが「明日も変わらず一球一球集中したい」。東京大会準々決勝から24戦16発。驚異的なペースで量産する大砲ならば、あっさり大台を超えそうだ。(東尾 洋樹)

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