元中日球団代表・井手氏が都新宿のコーチ就任「いつか甲子園に」

[ 2017年6月1日 05:30 ]

エース梅原に変化球の握りを指導する井手峻氏(写真左)
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 元中日球団代表の井手峻氏(73)が都新宿の外部コーチに就任したことが31日、分かった。井手氏は中日退団後の15年に学生野球資格を回復。今年4月、母校の都新宿・田久保裕之監督から要請を受け「母校からオファーをもらってうれしかった。同級生も喜んでくれたし、恩返しできればと思った」と快諾した。資格回復制度の制定で元プロが学生を指導する機会は広がったが、球団代表まで務めた人物が高校の指導者になるのは異例のケースだ。

 すでに5月中旬から練習に訪れ、この日も新宿区の同校で指導。バッテリーに打者目線でのアドバイスを送るなど、温かいまなざしで練習を見守った。進学校だけに練習時間が2時間の日もあり、グラウンドは他の部と共有と制限がある中だが「みんなひたむきで礼儀正しい。正しいことを教えなきゃいけないから責任は重い」と引き締めた。自身は都新宿から東大に進み、66年第2次ドラフト3位で中日に入団。投手、外野手として8年間プレーした。「投手としては長くやっていないから権藤(博)さんにも投手のことを聞いたりした。教えるからにはこちらも日々勉強していろんなことを伝えていきたい」。

 田久保監督は「言葉に説得力がある。井手さんのように東大を目指す選手が出てくれれば」。捕手を務める吉田壮吾主将は「的確にアドバイスしてくださる。きょうは投手が新球を教えてもらい、早速試合で使ってみたいと思った。ありがたい。感謝している」と話した。

 今後は週1のペースで指導していくといい「いつか甲子園に出られるチームになったらうれしい」と井手氏。79、93年に夏の東東京大会で8強入りした同校は、09年以降は2回戦までで姿を消しており、新風を入れてレベルアップを図る。

 ◆井手 峻(いで・たかし)1944年(昭19)2月13日、東京都生まれの73歳。都新宿から東大に進み、東京六大学リーグ戦で4勝。66年ドラフト3位で中日入団。東大史上2人目のプロ野球選手となった。投手としては通算1勝で、70年に外野手転向。76年限りで引退し、コーチを歴任した。87〜91年と96年以降はフロント入りし、13年に球団代表兼連盟担当に。15年2月に退任した。

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2017年6月1日のニュース