楽天 ソフトBと30勝一番乗り 42戦で到達はV率89%

[ 2017年5月29日 05:45 ]

パ・リーグ   楽天13―2西武 ( 2017年5月28日    Koboパーク宮城 )

<楽・西>2回2死一塁、茂木(左)は生え抜き初の10号2ランを放ちペゲーロとハイタッチ
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 楽天は28日、西武戦で先発全員安打となる毎回の17安打を放ち、13―2で大勝した。2年目の茂木栄五郎内野手(23)が2回に右越え10号2ラン。生え抜き選手としては球団初の2桁本塁打となった。チームはソフトバンクとともに両リーグ一番乗りで30勝に到達。交流戦前としては史上最多タイの貯金18を手に、30日からの交流戦・巨人戦(Koboパーク宮城)に臨む。

 沈むボールをバットにうまく乗せた。茂木は3―0の2回2死一塁、西武・誠が投じた3球目の125キロのスライダーを強振。右翼席中段まで運んだ。昨季の島内の9本塁打を抜き、球団生え抜き選手では初めて2桁の大台に乗せる10号2ランとなった。

 「生え抜きで初の記録が僕でいいのかなという気持ちもありますが、これからもどんどん打てるように頑張ります」

 お立ち台で興奮気味に叫び、Koboパーク宮城では球団史上最多となる2万7314人の観衆を沸かせた。3回には2死二塁から左前適時打を放ち3打点。今季3度目の先発全員安打となる17安打で13得点を呼んだ。

 中学生の頃、毎朝、4時半に起床し、都内の実家近くの公園で約2時間、父・龍夫さんと打撃練習を行った。「打球音が近所迷惑になる」と、ボールを使わず。新聞紙を丸めてピンポン球大にしてビニールテープを巻いたものを使用した。ボールと違い、新聞紙は芯に当たらないと飛ばない。的も小さく、ピンポイントで当てる技術を身につけた。龍夫さんお手製で「150〜200球あった」と言う球は壊れたら、テープを巻き直して何度も使った。父子の二人三脚で土台をつくった。

 今に生きる。プロ1年目の昨季7本塁打からの長打力アップにテーマを置き、球にバットを入れる角度をも追求した。「打球の上がる角度は45度をイメージして、バックスピンを掛けるように」。42試合で10発はシーズンでは34本ペース。効果は日を追うごとに確信へと変わっている。

 打率・325、32打点の1番打者に、この試合でも2番ペゲーロが初回の左越え11号ソロで勢いを生んだ。梨田監督は「10点取ろうと言っていたが3回までに取るとは」と驚きを隠さなかった。30勝は2位ソフトバンクとともに到達したが、3・5ゲーム差をつける。42試合での到達は球団最速で、42試合以内で30勝したチームのリーグ優勝確率は89%を誇る。昨年のソフトバンクと並ぶ両リーグ最多の貯金18として交流戦に向かう。

 今年のオールスター中間発表でも、遊撃手部門1位の茂木は「チームの雰囲気も良いし、この勢いのまま勝っていければ」とし、指揮官も「交流戦も優勝するつもりで戦いたい」と自信を漂わせた。チーム打率・279、同防御率2・98はともにリーグトップ。パの首位として、セ相手でも死角はない。 (黒野 有仁)

 ≪過去9度中8度V≫楽天が球団初のリーグ30勝一番乗り。開幕42試合以内でパ30勝一番乗りは、90年西武以来27年ぶり延べ10チーム目。過去9チームの最終順位は優勝8チーム、2位1チームで、V確率は89%になる。30日からは交流戦で巨人と対決。楽天の交流戦開始直前の順位を振り返ると、これまでは09年の2位が最高で首位は今回が初めてだ。また、チームの貯金は18(30勝12敗)。交流戦前の貯金としては、昨年のソフトバンク(31勝13敗4分け)に並び、両リーグ最多になった。

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