立大 21世紀初優勝 ミスターも祝福、99年秋以来の栄冠

[ 2017年5月29日 05:30 ]

東京六大学野球最終週第2日   慶大6―12早大 ( 2017年5月28日    神宮 )

35季ぶりの優勝に笑顔を見せる立大の(左から)笠松、熊谷主将、溝口監督、田中誠、中川
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 立大が99年秋以来、35季ぶり13度目の優勝を決めた。早慶2回戦で勝てば優勝だった慶大が敗れ、29日の3回戦で勝っても立大を勝率で上回れなくなった。立大はリーグトップ16打点の4番・笠松悠哉内野手(4年)がチームをけん引。全日本大学野球選手権(6月5日開幕、神宮ほか)は66年以来51年ぶり5度目の出場で、58年以来の全国制覇を狙う。

 神宮球場のロッカー室で待機していた立大ナインは、優勝が決まると「やった!」と歓声を上げた。21世紀初の栄冠。溝口智成監督は「18年という、長い間開かなかった扉をやっと開けることができた」とほほ笑んだ。

 残り2カードの早大、明大戦は初戦黒星の後に連勝して勝ち点獲得。頂点まで1勝だった昨春など目前で失速した苦い過去と決別した。熊谷主将は「去年より一つ上の力が出せた」と涙した。

 全日程を終え、優勝は早慶戦の結果待ち。「チャペルでお祈りして、本当に神頼みだった」と話したのは笠松だ。4番打者は打率・348、2本塁打で、リーグ1位の16打点を挙げる活躍。明大3回戦では延長12回にサヨナラ打を放ち、崖っ縁からチームを救った。

 「六大学で勝つことはこんなに難しいんやと痛感した」。言葉に実感がこもる。12年に甲子園春夏連覇を果たした大阪桐蔭で2年生ながら主力を張った。「試合に出て当たり前」「6校しかないリーグなら1度くらい勝てる」――。入学前の甘い考えが次々に崩れた。

 定位置を獲った2年秋は4本塁打16打点、打率・333と華々しかったが、3年春は・214、3年秋には・194と打率を下げ続けた。チーム始動時は2軍。和を乱して同期に叱られ、丸刈りになったこともあった。

 「俺は大阪から何しに来た」。強烈な危機感が力に変わった。以前ならミスをすると一人で落ち込んでいたが、空元気でも声を出して仲間を鼓舞した。今春は「4番目の打者」と自らを位置づけ、本塁打は狙わずにチーム打撃に徹した。

 次は高校に続く、大学日本一に挑む。「やってきたことを信じてやる」。表情に闘志がみなぎった。 (松井 いつき)

 ▼長嶋茂雄氏(57年度卒OB、巨人終身名誉監督)選手諸君、溝口監督以下関係者の皆さん、頑張り抜いてきて本当に良かった。チームバランスの良さで勝ち抜いてきた、と聞く。私たちがリーグ戦で春秋連覇をした57年、同じようにチーム一丸となって戦っていたことを懐かしく思い出す。優勝を勝ち取った諸君、この実績を自信にして、さらにチーム力を高めて連覇を狙ってほしい。立教にとって21世紀初となった優勝が野球の楽しさ、面白さを広く世界に発信するきっかけになればうれしい限りだ。

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2017年5月29日のニュース