腰痛再発…オリ吉田正が珍しく吐いた“弱音”

[ 2017年5月28日 10:00 ]

5月10日のウエスタン・リーグの広島戦、復帰初球を左中間スタンドに運んだオリックス・吉田正尚外野手
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 5月は3勝19敗(27日現在)と苦しんでいるオリックス。球団月間最多敗に並ぶなど史上最悪と言える泥沼にはまり込んだチーム状況が、逆に注目を集めるのかもしれない。「こちらが聞くのも変ですけど進展ないですか?」。球団関係者からも、いろんな人から尋ねられる。腰痛で2軍調整中の吉田正尚外野手だ。

 3月下旬に発症した腰痛から実戦復帰した5月10日のウエスタン・リーグの広島戦。第1打席の初球をフルスイングしていきなり本塁打を放った。鳥肌ものの離れ業に、大阪・舞洲サブの客席からは「別格やわ」の声も飛んだ。誰もが早期復帰を期待し、深刻な打撃不振にあえぐチームを救うと胸を膨らませた。しかし、復帰戦翌日に患部の張りを訴えて1軍昇格は白紙に。現在も、舞洲地区の2軍施設にこもり、状態回復に努める苦悩の日々が続いている。

 「こういうケガがあって、前回(昨季も4月下旬に腰痛で4カ月離脱)も。自分で原因を突き詰めながら、リハビリを含めてやってきた。腰痛が出ないようにやっているんですが、自分でも“なんでだろう”って…」

 プロ意識が高く、あまり感情を表に出さない男が“弱音”を吐いたのが意外で、正直、驚いた。

 5月上旬には、大阪・泉佐野市の犬鳴山で滝行を敢行。精神面の強化と併せて厄落としを図るなど現状打開へ、すがった。本人は「いやいや、そういうプライベートな部分は、あまり話せないですよ」。昨年12月にはアテネ五輪の陸上男子ハンマー投げ金メダリストの室伏広治氏に直筆の手紙を送り、1月に体のメンテナンス法や安定性を高めるトレーニングの指導を受けた。最大限の注意を払って取り組んできた中での故障。今季の目標は143試合フル出場だった。それがいきなり吹き飛んだ上に、復帰時期のメドは立たず、さらに出遅れる見通しとなった。思いは、想像できた。

 「周囲の期待に応えるか応えられないかは自分次第。正直、怖さはある。でも、ちゃんと向き合っていかないとダメ。(野球とケアの両方を)やりながら、準備してやっていくしかない」。チームは苦境に立たされているが、長いシーズンにおいて状況が好転する時期は来る。背番号34が、再進撃を支えるキーマンの一人になるはずだ。(オリックス担当・湯澤 涼)

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