能見 7回零封報われず わずか2安打、新スタイルでG斬り

[ 2017年5月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―3巨人 ( 2017年5月24日    甲子園 )

<神・巨>雨の中、巨人打線を7回無失点の好投を見せた能見
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 奮闘が報われない歯がゆさが残った。先発・能見は今季最長の7回を2安打無失点に抑えながら援護に恵まれず、白星を手にできなかった。

 「(状態は)まあまあ。(野手陣が)守ってくれましたね」

 着実にアウトを1個ずつ積み重ねた。初回先頭打者の長野をフルカウントから四球で出す滑り出しでも1死二塁から坂本を二ゴロ、阿部を一ゴロと中軸2人を退けて無失点で切り抜けた。走者を背負っても要所を締め、5回まで無安打と巨人・吉川と投手戦を演じた。

 6回は2死から坂本にフォークを中前に運ばれ、初安打されても気持ちを入れ替え、打者に集中した。阿部の一、二塁間へのゴロを上本が好捕してワンバウンド送球でアウト。先頭打者を3度出しても先制を許さず、「出さなければ良かったんですけどね…」と振り返った。

 長年、巨人打線をなで斬ってきた勝負球のフォークが近年は見極められることが多くなった。「もう昔みたいなフォークは投げられないから。でも、そこを追いかけては駄目だから。何か新しいことを考えてね」。この夜は、変化球でカウントを作り、直球で打ち取る場面が目立ち、新たなスタイルで宿敵を見事に封じ込めた。

 8回に一度はマウンドへ向かい、先頭打者で代打の相川が出たところで降板。ベンチへ下がる背中には力投をたたえる虎党からの大声援が降り注いだ。前回17日の中日戦(甲子園)も6回1/35安打1失点と好投。開幕から1勝止まりでも防御率2・18は秋山(2・29)を抜いてチームの先発陣トップに躍り出た。抜群の安定感でチームを支えるベテランの存在が、敗戦のなかで渋く輝いていた。(遠藤 礼)

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2017年5月25日のニュース