必死にアピールを続ける“ゴウ” 陽が当たる日がまた必ず来る

[ 2017年5月24日 13:16 ]

適時打を放ち笑顔の日本ハム・松本
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 5月中頃、札幌市内の日本ハム球団事務所。記者室で作業をしていると、現在は球団職員で14年まで日本ハムでプレーした村田和哉氏(31)に声を掛けられた。「最近、“ゴウ”頑張ってるね」。元後輩の活躍が励みになっているという。

 “ゴウ”とは6年目の松本剛。3月下旬に左太腿裏を痛め、開幕こそ出遅れたが4月23日に今季初昇格すると同25日のソフトバンク戦(北九州)でWBC日本代表の千賀からプロ1号を含む2本塁打をマーク。ともに第1ストライクを捉え「映像でしか見たことがない(投手)。積極的にいこうと思った」。千賀から1試合で2本塁打した初めての選手だった。その後、出場機会こそ減ったが、高い守備力とパンチ力を売りに1軍に食らいついている。

 松本の座右の銘は「名もない雑草にも陽は当たる」。諦めることなく頑張れば、必ずスポットライトが当たる時が来るという意味だ。実は村田氏が現役時代に掲げた座右の銘でもある。松本は「村田さんからこの言葉が好きだと聞いた。自分に合っているなと思って、この言葉が好きになった」。09年夏、栗山監督がキャスターだった時代に、高野連からの特別許可を得て初めて取材したのが帝京の「スーパー1年生」と呼ばれた松本だった。決して「雑草」ではないが、現在、打率リーグトップの近藤ら同期が先に1軍で活躍し「テレビで見て悔しい気持ちだった」。内野手登録だが、ここ数年は俊足を生かし外野手としての出場が続く。昨オフに巨人から移籍した大田が存在感を発揮しているが、“ゴウ”も必死にアピールを続けている。

 村田氏は去り際にこうも言った。「“ゴウ”は守備もいいよ。経験があるし、周りに指示も出せるからね」。雑草にも陽が当たる日はまた必ず来る。そう信じている。(記者コラム・柳原 直之)

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2017年5月24日のニュース