菅野 黒虎退治でリベンジ!ピンチでギアチェンジ3連続K

[ 2017年5月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人1―0阪神 ( 2017年5月23日    甲子園 )

<神・巨>7回裏2死一、二塁、ピンチの場面を三者連続三振で抑え、マウンドでガッツポーズする菅野
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 やられたらやり返す。巨人・菅野智之投手(27)が23日、阪神戦に先発し7回6安打無失点で12球団単独トップとなる6勝目を飾った。7回無死一、二塁のピンチを3者連続三振で切り抜けるなど9日の投げ合いで今季唯一の黒星を喫した秋山拓巳投手(26)にリベンジ。プロ5年目で上原浩治、江川卓、堀内恒夫に次ぐ球団史上4番目の早さで節目の通算50勝に到達した。防御率も1・58でリーグトップ。投手2冠に躍り出たエースがチームを2連勝に導いた。

 ピンチでギアチェンジできる。菅野がエースたるゆえんだ。7回に真骨頂が集約されていた。

 「そういう時のために余力を残して、ギアを上げる練習をしてきた」。1―0の7回だ。安打と、自らの犠打処理で二塁悪送球し、一、二塁となった。そこまでの100球で150キロ超えはなし。「自分で招いたピンチ。自分でケリをつけないと」とその後の15球中7球が直球で、そのうち6球が150キロを超えた。

 高山に151キロ直球で見逃し三振。上本はこの日最速153キロを見せた後のカットボールで空振り三振に斬った。そして糸井だ。前回対戦した9日(東京ドーム)に右前適時打されて連続無失点を27イニングで止められ、4試合連続完封を阻止された相手に、最後は151キロを投げ込んでバットに空を斬らせた。

 「前回阪神にやられて絶対に次は勝とうと過ごしてきた」。3者連続三振でピンチを切り抜け、右拳を強く振った。前回4失点で敗れた秋山との投げ合いも制した。今回は7回無失点で、12球団トップの6勝目を手に入れた。

 菅野の持論「体心技」が今季の投球を支える。「普通は“心技体”ですが、自分は“体心技”と考えている。コンディションさえ整えることができたら、どんな打者でも抑えられると信じている」。今季は4年連続開幕投手に指名されたが、WBCの疲労を考慮されて2カード目の初戦に初登板した。それから約2カ月間、週頭を任され続けている。2日前の投球練習、登板が近づくにつれて距離を縮めていくインターバル走など徹底した自己管理で体調を整えてきた。だから「心」で攻めることができる。

 通常の被打率が・203なのに対し、走者を得点圏に背負ったときは・122。昨年は被打率・228に対し得点圏で・203とあまり変わらなかった。「何度かピンチがあったけど、力でねじ伏せた。気迫がこもった投球をしてくれた」と高橋監督も「体心技」の投球を評価する。4回からは「マウンドがいつもと違う気がして、臨機応変に」と走者なしでも、セットポジションで投球する「技」を見せた。

 節目の通算50勝。上原、江川、堀内に次ぐ球団4番目の早さで到達した。「節目なので自分を見つめ直して、感謝したい。交流戦の開幕も僕が行くと思うので勝って勢いをつけたい」

 菅野にとっては、ほんの通過点にすぎない。(神田 佑)

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2017年5月24日のニュース