糸井よ目覚めろ 自己ワースト24の0「黒虎」で勝てず

[ 2017年5月24日 08:20 ]

セ・リーグ   阪神0―1巨人 ( 2017年5月23日    甲子園 )

<神・巨>7回2死一、二塁、糸井は空振り三振に倒れ、捕手の小林はガッツポーズ
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 今季初となる「黒虎」で勝利をつかむことはできなかった。阪神は1948、49年の大阪タイガース時代に使用した「ブラックユニホーム」で巨人戦に臨んだが、0―1で敗れ今季2度目の零敗。相手先発・菅野攻略のキーマンと目された糸井は3度の得点圏すべてで凡退するなど4打数無安打に終わり、自己ワーストを更新する24打席連続ノーヒットとなった。

 1点が遠かった。好機は作るが、あと一本が出ず。金本監督は淡々と敗戦を振り返った。

 「まあ得点圏での1点というか…。そう(1点が遠い試合)ですね。いつもの、それ(ピンチでギアを上げる投球)が彼のスタイルだからね」

 要所を締められた。相手エースがマウンドに立っていた7回までに4度、得点圏に走者を進めたが、ことごとく打ち取られた。そんな中でも、特に深刻なのが糸井の不振だ。

 長いトンネルの出口が見えない。初回1死二塁では二ゴロ。続く福留も中飛に倒れた。3回には外野フライでも1点という1死二、三塁という絶好機で第2打席へ。だが気合が空回りしたのか…。2ボールからカットボールを打ち損じ浅い左飛に倒れ、三塁走者を還すこともできず。次打者・福留も左邪飛に倒れ、先制機を逸した。

 糸井の第4打席は1点を追う7回2死一、二塁。菅野の151キロ直球に空振り三振を喫し、思わず目を見開いた。これで24打席連続無安打。試合後は複雑な胸の内を吐き出すように「フ〜」と大きくタメ息を付くと、報道陣の問いかけには無言を貫き、クラブハウスへ消えた。

 糸井の心情を慮るように指揮官も責めることはなかった。「結果、点が入らなかったけど、まあ別に…。別にというのはおかしいけど、そのうち(状態は)上がってくると思うし」。自らの経験上、打撃が水ものであることが分かっている。そして、過去にシーズン7度も打率3割以上の成績を残している男の実力を信じている。

 「(糸井は)リズムとかタイミングとかが、まだちょっと合っていない感じはするね。(試合前に話していたのは)雑談。本人も何とかしようという気持ちは、もちろん持っている」と今の心境を推量した上で「ここを乗り越えて行ってほしいし、乗り越えてくれると思っている」と、改めて全幅の信頼を寄せた。

 11年交流戦以来、6年ぶりに全身濃紺ユニホームの「黒虎」で臨んだ一戦。「ダイナマイト打線」復活とはいかず単打7本のみに終わった。貯金は9となり、勝った2位・広島には1・5ゲーム差に迫られた。それでも心配はいらない。糸井は必ず復活する。それが、再進撃の号砲となる。(惟任 貴信)

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2017年5月24日のニュース