薮田スクランブル登板で3勝目 野村緊急降板の危機救った

[ 2017年5月24日 08:50 ]

セ・リーグ   広島3―2ヤクルト ( 2017年5月23日    マツダ )

<広・ヤ>6回表2死三塁、ピンチを無失点切り抜け、珍しくガッツポーズを見せる薮田
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 広島は23日、ヤクルト戦(マツダ)に今季16度目の逆転勝ち。先発・野村祐輔投手(27)が腰の違和感を訴えて3回限りで緊急降板する中、4回から登板した薮田和樹投手(24)が3回無失点の好投で3勝目を挙げた。今季最多3万2066人を本拠に集めたチームは、連敗を3でストップ。首位・阪神が敗れたために、ゲーム差を1.5に縮めた。

 大歓声の中、派手に喜びを表現した。3―2の6回2死三塁。薮田は代打・今浪を遊飛に打ち取ると、高く上げた腕を思い切り振り下ろしながらガッツポーズを見せた。「点をやらないつもりで投げていたので、思わず出てしまいました」。マウンドを降りて普段の物静かな姿に戻った右腕は、はにかみながら分岐点を振り返った。

 チームのピンチを救った。先発・野村が腰に違和感を訴えて3回限りで降板。2番手として4回から急きょマウンドに上がることになった。だが、野村の異変を2回途中には伝えられており、準備は万端。1死後、ブキャナンの2球目に最速153キロをマークするなど、3者凡退で切り抜けリズムをつかんだ。

 「2回に入ったくらいから準備をしていたので、そんなに(肩をつくるのを)急いだ感じではなかった」

 緊急登板は手慣れたものだった。昨年8月31日のDeNA戦(マツダ)。予告先発されていた福井が首痛を訴え、急きょ登板を回避した。試合開始15分前に先発を告げられたにもかかわらず、6回を2安打無失点。勝利投手となり、チームの危機を救っていた。

 「あのときにうまくいったということがあって、(緊急登板への)苦手意識がなくスッと入っていけた。あのときもそうだったけど、あれこれ考えずに入っていけた」

 男気も力に変えた。6回のピンチは先頭打者・大引の左前打を松山が後逸。二塁への進塁を許していた。それでも動揺することはない。むしろ、気合を入れ直して、難局を乗り切った。

 「今まで野手が取ってくれた点を何度も返したことがあったので、野手のエラーがあったときは絶対に抑えるという気持ちでいる。1点もやらないという気持ちだった」

 今季自己最長の3回を無失点。連敗ストップを呼んだロングリリーフに、緒方監督も賛辞を惜しまなかった。「緊急登板の中、粘り強くしっかり投げてくれた」。チーム最多23試合目の登板で、今季一番の輝きを放った右腕。連覇に向けて欠かすことのできない存在だ。(柳澤 元紀)

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2017年5月24日のニュース