東洋大 久々優勝の背景 46年目指揮官を支える教え子の元巨人投手

[ 2017年5月24日 16:28 ]

 東洋大が11年春以来の優勝で幕を閉じた東都大学野球春季リーグ。2部に3年、昨年はあと一歩で優勝を逃した東洋大の優勝は、46年目を迎えた高橋昭雄監督(68)の采配とOBたちの協力態勢から達成された。

 46年もの長きに渡って監督をしているから、最初の教え子たちは還暦をすぎている。ネット裏で熱心にデータを取っている玉井信博さん(67)もその一人。高橋監督とは1つ違いだが、23歳で監督に就任したため玉井さんたちが最初の教え子となった。東洋大を卒業後三協精機を経て巨人、太平洋、クラウンなどで投手として活躍。その後は西武のスコアラーとして長く黄金時代を陰から支えた人。西武を退団した玉井さんに「ちょっと手伝ってくれ」と高橋監督から声がかかった。

 開幕から全試合をスタンドからチェックし他校の投手、打者の特徴をメモしていく。「僕は監督に報告するだけだよ。選手から聞かれたら特徴を伝えるけどね。この打者はここの高めが強いとか、ここが弱いとかね。今年はとにかく先頭打者を出さないということを強く言ってきた」と連敗スタートから8連勝したチームを支えた。

 昨年のセンバツ優勝投手で期待されたルーキー村上は登板するたびに失点と結果がでなかった。そんなとき、OBで西武で活躍した“オト松”こと松沼雅之氏(60)の元に高橋監督から電話が入った。「ちょっと村上を見てやってくれ」「はい」と二つ返事でグラウンドへ。細かなアドバイスは明かさなかったが、その後村上は2勝をマーク、優勝に貢献してリーグ新人賞に選ばれた。

 前日の優勝決定時にはOB会長でもある長堀肇氏(元NTT東日本監督)や東亜学園で長く監督を務めた上田滋氏らも駆けつけた。監督、選手そしてOBたち。高橋監督の人望の厚さが生んだ優勝とも言えそうだ。

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2017年5月24日のニュース