【石井一久クロスファイア】DL期間短縮でマイナー選手“ごちそう”増える

[ 2017年5月24日 11:15 ]

ドジャースの前田
Photo By スポニチ

 メジャーの選手がリハビリのためにマイナーの試合に出場する時、チームにごちそうを振る舞うのが慣習になっている。左太腿裏痛で故障者リスト(DL)入りしているドジャース・前田は先日、1Aのチームに大量の天ぷらと寿司を差し入れたそうだ。僕も一度だけ経験がある。ドジャースの2Aでリハビリ登板した時、ピザ、ステーキのほか、マッシュポテトなどのオードブルを振る舞った。マイナーの選手は給料も安いので、メジャーリーガーが来る時はこれを楽しみにしている。

 米国では昔からある「ごちそう」の慣習は、チームへの感謝のしるし。その試合は、メジャーリーガーの調整試合という位置付けになり、先発を譲った投手はリリーフに回ったり、登板が飛んでしまったりする。チームスタッフも、その一日のためにユニホームを作ってくれる。寿司やピザには「好き勝手にやって、すみません」という気持ちがこもっている。

 僕の場合、初めてのことで、どのぐらいの量を用意すればいいか分からないので、事前にチームスタッフに聞いた。10年以上も前のことなので、多少記憶はあいまいだが、ピザは30枚くらい、ステーキは20枚ぐらい…。注文はクラブハウスマネジャーが全てやってくれる。レシートを渡され、確か1000ドル(約11万円)以上だったと思う。

 なぜ、この話をしたかというと、今季からDL期間が15日間から10日間に短縮された。短くなったことで、選手をDLに入れやすくなった。今までなら一度入れると、2週間以上戻すことができなかったが、10日間だと、ローテーションを1回飛ばすだけで済む場合もある。つまり「休養」の意味合いで、DLを使うチームが増えている。前田もそれに近い感じだろう。特にドジャースのような先発陣が豊富なチームには有利な変更だ。

 メジャーリーガーのリハビリが増えると、マイナー選手にとっては、ごちそうの回数が増えることになる。ちなみに、僕は先日、競馬で大当たりしたことが友人たちにバレて、大勢の人に「ごちそう」する羽目になった。関係ないか…。 (本紙評論家)

続きを表示

2017年5月24日のニュース